緑色党

韓国緑色党：その歩みと理念

韓国の緑の党である緑色党は、2012年3月4日に創設された政党です。2011年の福島第一原子力発電所事故をきっかけに高まった脱原発運動の高まりを受け、創党準備委員会が設立され、各地で党支部が設立されました。

創設当初は、共同運営委員長として金ソクボン氏と李ヒョンジュ氏が選出され、綱領には「成長と物神主義、経済至上主義を超える政党」、「化石燃料を超える太陽と風の政党」、「緑色価値の政党」、「反政党の政党」といった理念が掲げられました。具体的には、「生態的知恵」、「社会正義」、「直接参与草の根民主主義」、「非暴力平和」、「持続可能性」、「多様性尊重」といった6つの柱を重視しています。

2012年の第19代総選挙では、釜山や慶尚北道で候補者を擁立しましたが、議席獲得には至らず、政党登録が取り消されました。しかし、党員や地域からの要望を受け、党名を「緑色党+」に変更し、再出発しました。この過程で、日本や台湾の緑の党との交流も深まりました。

その後、政党法の違憲性を訴えた行政訴訟において、憲法裁判所から違憲判決が下され、党名は元の「緑色党」に戻されました。2014年の統一地方選挙や2016年の総選挙では、議席獲得には至らなかったものの、着実に支持を拡大しました。

2016年の総選挙では、比例代表で0.76%の得票率を獲得し、前回選挙から支持率を伸ばしました。しかし、議席獲得に必要な得票率には届かず、野党としての活動を継続しました。

2024年の第22代総選挙では、緑色党は正義党と合流し、「緑色正義党」を結成して選挙戦に臨みました。革新系の政党として、環境問題や社会正義に重点を置いた政策を展開しました。しかし、選挙の結果は芳しくなく、全候補が落選という結果に終わりました。

緑色党の綱領は、環境問題への積極的な取り組みを基軸としています。生態系の保護、持続可能な社会の実現、再生可能エネルギーへの転換など、環境問題に特化した政策を数多く掲げています。同時に、社会正義の実現、草の根民主主義の推進、平和主義、多様性への尊重といった理念も重視しています。

韓国の最大規模の労働組合である全国民主労働組合総連盟(KCTU)は、緑色党を含む革新政党を支持しており、労働者や市民社会との連携を強めることで、韓国社会における影響力を高めてきました。

緑色党は、韓国における環境保護と社会正義を訴える重要な政治勢力として、その活動を続けています。幾多の選挙での敗北を経ても、その理念を貫き、持続可能な社会の実現を目指し、活動を継続しています。今後の動向が注目されます。

参考文献
民衆言論チャムセサン
ハンギョレ

もう一度検索