緒川城

緒川城（おがわじょう）

緒川城は、尾張国知多郡小河（現在の愛知県知多郡東浦町緒川）に位置していた日本の城です。現在、城跡は「緒川城址」として東浦町の指定史跡となっています。別名として小川城とも呼ばれています。

歴史

緒川城の歴史は、小河重房の屋敷跡である高藪城に、文明年間（1469年 - 1487年）に水野貞守（小河貞守）が築城したことに始まります。その後、賢正、清忠、忠政、信元と水野氏の城主が続きました。天正8年（1580年）には、水野忠守が入城する際に居所の移転が行われました。慶長6年（1601年）に緒川藩が成立すると、水野分長が城主となりましたが、新城藩への移封に伴い、慶長7年（1606年）に廃城となりました。

構造

緒川城は、南から北にかけて、出丸、二つに区切られた主郭、家臣の屋敷、そして忠守および分長の居城となった曲輪群で構成されています。貞守が築城した主郭とその周囲の曲輪は「緒川古城」と呼ばれ、忠守らの居城区域は「高薮城」または「緒川新城」と呼ばれることがあります。これらの区域は、現在の東浦町緒川字古城と緒川字屋敷三区にそれぞれ相当します。

遺構

「緒川古城」の主郭は現在、児童公園となっており、北側には土塁の一部がわずかに残っています。土塁の隣には、「緒川城址」と刻まれた石標と、城址全体の縄張り図が示された案内板が設置されています。この場所は古くから、日本武尊の東征の際に走水で入水した弟橘姫の父である穂積忍山宿禰の古墳跡であるという伝承が残っています。

一方、「高薮城」周辺は宅地化が進み、当時の面影はほとんど残っていません。かつては石碑（愛知県）が建てられていましたが、現在は東浦町役場の北に移設されています。ただし、水野氏の菩提寺である乾坤院の総門は、「緒川新城」の廃城後に移築されたものであり、現存する唯一の建物であるという伝承が同寺に残っています。

アクセス

緒川城跡へは、JR武豊線の緒川駅から徒歩で約15分です。住宅街の一角に位置しており、専用の駐車場はありません。

関連項目

日本の城一覧
緒川藩
水野氏

外部リンク

町指定文化財 東浦町

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