織田信就

織田信就

織田信就（おだ のぶなり）は、江戸時代中期の上野国小幡藩の第4代藩主です。通称は八、伊織、帯刀と称し、官位は従四位下・侍従、美濃守に叙せられました。

生涯

信就は、第3代藩主・織田信久の次男として生まれました。生母は信久の側室で、実質的には庶長子であったとされています。養母は稲葉信通の娘です。

元禄7年（1694年）、兄と弟の死去により嫡子となりました。同年12月には、第5代将軍・徳川綱吉に御目見えし、従五位下美濃守に叙任。その後、従四位下侍従に昇進しました。

正徳4年（1714年）8月23日、父の死去に伴い家督を継承しました。しかし、当時の小幡藩は財政が破綻寸前の状態でした。信就は藩の財政再建を目指し、改革に着手しようとしましたが、領民からは年貢の減免や助郷の軽減を求める強い反発を受けました。さらに、幕府の直轄領への編入を求める嘆願まで行われる始末でした。この状況に対し、信就は年貢を一割減免し、税制を定免制度に変更せざるを得なくなりました。

享保16年（1731年）6月10日、信就は71歳でこの世を去りました。法号は乾瑞院亭巌元貞です。

信就には多くの子がいましたが、長男の信房、三男の信乗は病のため廃嫡、次男の信常も病弱のため後継者とはなりませんでした。最終的に、四男の信右が跡を継ぐことになりました。

系譜

正室：なし
子女：8男3女（「御代々様・御連枝様方御事跡」には9男3女と記載）

父母

父：織田信久
養母：稲葉信通の娘

子女

織田信房（長男）
織田信常（次男）
織田信乗（三男）
織田信右（四男）
織田長顕（五男）
織田信富（七男）
津田長季（八男）
津田正春正室


信就は、藩主として領民のために尽力しましたが、財政難や領民の反発に苦しんだ人物でした。しかし、その生涯は、江戸時代中期の大名が直面した困難を物語るものとして、歴史に刻まれています。

もう一度検索