織田信久

織田信久について

織田信久は、江戸時代前期から中期にかけての上野国小幡藩の第3代藩主です。大和国宇陀松山藩主・織田高長の四男として生まれ、先代藩主である織田信昌の養子となり家督を継ぎました。

生涯

信久は、慶安3年（1650年）に信昌の末期養子として家督を相続し、3代将軍・徳川家光に御目見しました。明暦元年（1655年）には従五位下に叙任され、後に従四位下・侍従に昇進しました。万治2年（1659年）には、藩主として初めて領地に帰ることを許されています。寛文5年（1665年）には、江戸城紅葉山での八講会に実兄の長頼と共に参加し、国主に準じた待遇を受けていたことが伺えます。

信久の治世は64年という長期にわたりました。その間、新田開発や治水工事に力を入れ、藩政の安定に貢献しました。しかし、その一方で、年貢の増徴や助郷による領民への負担を増やしたため、領民の不満が高まり、財政も悪化の兆しを見せ始めました。

正徳4年（1714年）、72歳で亡くなり、跡を三男の信就が継ぎました。また、初代藩主・信良が定めた菩提寺を宝積寺から崇福寺に変更したことでも知られています。

人物評

『土芥寇讎記』には、「信久は武道を好み、兵術を学んでいたが、文道は表面的なものであった。外見は寛大に見えるが、内心は奸計を巡らせる人物であった」と記されており、当時の大名からの評価は必ずしも高くなかったようです。

系譜

実父: 織田高長
養父: 織田信昌
正室: 稲葉信通の娘
子女:
織田信盛（長男、母は正室）
織田信就（次男）
織田信知（三男、母は正室）
浅田信允
* 蝶姫（大村純尹正室）

信久は、長期にわたる治世の中で藩政の安定に尽力した一方で、領民に負担を強いた一面もありました。また、文化面では菩提寺の変更を行うなど、独自の政策も行いました。その人物像は、当時の大名からの評価と合わせて、多角的に捉える必要がありそうです。

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