織田長益

織田長益（おだ ながます）についての詳細

織田長益は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した大名であり茶人です。彼は織田信秀の十一男であり、特に有楽・如庵と称されることが多く、織田有楽斎とも呼ばれました。茶道の大家、千利休から茶道を学び、利休十哲の一人に数えられるに至りました。後には自身で茶道の流派「有楽流」を創設し、茶道を広める役割を果たしました。

生涯の初期

織田長益の母は信秀の側室であると推測されますが、詳しいことはわかっていません。彼は織田信長の弟であり、信長とは13歳の年齢差があります。天正2年（1574年）、尾張国知多郡を与えられ、大草城の改修を行いました。これは彼の戦功の一環であり、以降は信長の長男、信忠のもとで活動を続けました。

長益は、甲州征伐においても信忠に従軍し、天正10年（1582年）には京都御馬揃えに出席しました。彼は木曽口から鳥居峠を攻め、木曽勢との連携を図るなど、戦士としてもその名を知られることとなります。

本能寺の変後の動き

本能寺の変が発生した際、長益は信忠とともに二条新御所にいましたが、いち早く逃げ出し、岐阜へと逃避しました。その後、甥の信雄に仕官し、検地奉行や戦争の指揮を行いました。小牧・長久手の戦いでは、信雄側として徳川家康に協力し、戦後には和平交渉にも関与しました。

天正16年（1588年）には豊臣姓を賜り、さらに天正18年（1590年）には秀吉の御伽衆となりました。この頃、長益は「有楽」と名乗り、豊臣家との関係を深めました。

関ヶ原の戦いとその後

秀吉の死後、長益は関ヶ原の戦いに東軍の一員として参加し、戦功を挙げることができました。彼とその息子の長孝は、本多忠勝の指揮下に入り、敵軍を撃退するなど活躍し、その成果から大和国内で3万2000石が与えられました。

戦後も豊臣家に仕官し、淀殿を補佐しました。大坂冬の陣では、大野治長らとともに穏健派の中心人物として豊臣家を支える役割を果たしました。対照的に、嫡男の頼長は強硬派としての行動に出ることが多く、家内での対立を引き起こしました。

後期と隠棲生活

大坂退去後、長益は京都で隠棲し、余生を茶道に捧げることとなりました。元和元年（1615年）には子供たちに土地を分配し、1万石を手元に残しました。彼は元和7年（1622年）に亡くなるまで、文化人としての生活を送りました。

子孫と影響

長益の子供たちもそれぞれの道を歩んでおり、庶長子の長孝は関ヶ原の戦いで戦功を挙げ、大名として独立。嫡子の頼長も虎視眈々と豊臣家を支えました。四男と五男もそれぞれ藩を築き、明治時代まで続くこととなりました。

長益はまた、その名に由来する地名が複数存在します。特に、東京都にある有楽町という名前は、彼の号「有楽」に名づけられたものであり、今日もその名が残っています。

逸話と作品

彼にまつわる逸話や関連作品も多く、特に茶道の分野において大きな影響を与えました。彼の所有していた茶器である大井戸茶碗は「有楽井戸」として知られ、長益が愛したツバキの品種「太郎冠者」も「有楽」と名付けられるほどです。彼に関する文学作品やテレビドラマも多く制作されており、歴史的人物としての評価が高まっています。

まとめ

織田長益は、その生涯を通じて茶道の普及や戦国時代の戦争において重要な役割を担った大名です。彼の影響は現在に至るまで継承されており、彼の名は日本の文化と歴史に深く刻まれています。

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