罰

罰（ばつ）とは

「罰」とは、法令や特定の集団における決まりごと、道徳などに違反した行為に対して、公的機関や集団が科す、多くの場合、対象者にとって不利益または不快となる措置のことです。罰を与える行為は「制裁」とも呼ばれ、制裁という言葉が罰の意味で使われることもあります。また、仕置、懲罰、処罰といった言葉も同様の意味で用いられます。

罰・制裁の種類

罰や制裁は、その性質によって下記のように分類することができます。中には、法令に基づいて科される刑罰も含まれます。

身体的な罰

体罰：殴る、手足を拘束するなど、身体に直接的な苦痛を与える罰です。
死刑：生命を奪う最も重い刑罰です。

精神的な罰

叱責・罵倒：言葉による攻撃的な罰です。
皮肉：遠回しな非難や嘲りを込めた罰です。
無視：意図的に相手を無視する行為による罰です。
仲間はずれ：集団から排除することで心理的な苦痛を与える罰です。

経済的な罰

罰金・課徴金：金銭を徴収する罰です。
没収：不正に得た利益や犯罪に用いられた凶器などを没収する罰です。
経済制裁：国家間の紛争などにおいて、経済的な圧力をかける罰です。

社会的な罰

集団からの排除：所属していた集団から追放する罰です。
地位の低下：社会的に罪人であることを明示し、地位や名誉を失わせる罰です。
懲戒処分・懲戒免職（懲戒解雇）：組織内での規律違反に対する罰です。
追放：居住地や所属するコミュニティから強制的に排除する罰です。
村八分：村社会において、特定の個人や家族を共同生活から排除する罰です。
刺青：罪の証として、身体に墨を入れる罰です。
さらし：罪を犯した人物を公衆の面前で晒す罰です。
私刑：法的手続きを経ずに、個人的な制裁を加える罰です。

超自然的な罰

罰（ばち）、天罰（てんばつ）、神罰、仏罰（ぶつばち）：規則や規律に違反した者に対し、神仏などの超自然的な力によってもたらされるとされる罰です。
天誅：天が下す罰とされ、社会的な秩序を乱した者に対して、天が代行して罰を与えるという考え方です。
地獄：死後の世界における苦痛を伴う罰です。
業：善悪の行為の結果が、後の報いとなって現れるという仏教的な考え方で、悪い行いの結果として罰を受けるというものです。
祟り：怨念や霊的な力によってもたらされるとされる罰です。

罰の背景

何が罰の対象となるかは、時代や民族、文化によって大きく異なります。例えば、古代ギリシアでは少年愛が社会的に容認されていましたが、現代の先進国では刑罰や精神医学の対象となる場合があります。

哲学者エルンスト・ブロッホは、処罰の本質は報復であるとし、「その他はすべて後から出てきたもの、もしくは口実にすぎない」と述べています。ヘーゲルやカントは、行為と処罰を等価と見なし、罪に対する罰は補償をもたらすという絶対的な報復理論を展開しました。また、罰にはその恐怖によって犯罪を抑制する社会的な効果があると考えられてきました。しかし、近年の研究では、処罰の犯罪抑止効果は犯罪行為が重大になるほど小さくなることがわかっています。

子どもに対する罰

子どもに対する罰は、「正の罰」と「負の罰」に分けられます。

正の罰：嫌なものを与える罰（例：宿題を増やされる、嫌いな食べ物を食べさせられる）
負の罰：好きなものを取り上げる罰（例：おもちゃを取り上げる、ゲームを禁止する）

脚注

出典：(ここに参考文献を入れる)

関連項目

罪
刑罰の一覧
懲罰事犯
厳罰化
攻撃行動（心理学）
罰ゲーム
疑わしきは罰せず
仏罰
懲戒・処分
「罰」で始まるページの一覧
タイトルに「罰」を含むページの一覧

外部リンク

* ウィクショナリーには、罰の項目があります。

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