羅津港

羅津港の概要

羅津港（ラジンこう）は、朝鮮民主主義人民共和国の北東部、羅先特別市に位置する重要な港です。この港は、特に北東アジアにおける貿易や交通の要所として、様々な国との輸送に利用されています。

港の構成

港は羅先特別市の羅津区域にあり、主に三つの埠頭から構成されています。これらの埠頭の役割はそれぞれ異なります。

第1埠頭

第1埠頭は、中国企業が管理しており、国内輸送を目的として中国の主要港である上海や寧波に向けて石炭を運ぶために使用されています。この埠頭には北朝鮮の船舶も接岸可能ですが、中国企業の経営が悪化したことにより、長期にわたる賃貸契約の見直しが必要とされてきました。2012年、北朝鮮との間で新たな開発計画が合意されましたが、政治的な影響も絡み、計画は頓挫してしまいました。

第2埠頭

第2埠頭は、かつて韓国の釜山港と結ぶコンテナ航路の拠点でしたが、南北関係の緊張の高まりに伴い、2012年以降、その運航は停止しています。この状況は、国際的な貿易や物流においても影響を及ぼしています。

第3埠頭

第3埠頭はロシアとの契約に基づいてロシアが使用しています。2012年からは、ロシアはこの埠頭の一部の改修作業を進め、港を通じて韓国へ石炭や石油を輸出する計画がありました。しかし、国際的な経済制裁の影響で韓国が制限をかけたため、実際の取引は中国を中心とした国に限られる状況が続いています。それでも、羅津港を利用する取扱量は徐々に増加しています。

鉄道との連携

鉄道交通も羅津港の重要なインフラの一つです。2013年9月には、ロシアのハサン駅との間に新たな鉄道路線が開通しました。この新路線は、異なる軌間への対応を考慮した四線軌条で、ハサン駅から港までの約50kmを約1時間半で結ぶことができ、物流の効率化に寄与しています。

経済制裁と港の役割

国際社会による経済制裁の影響を受けている北朝鮮ですが、羅津港はその戦略的な位置を活かし、特にロシア産の石炭を中国向けに輸出する拠点としての役割が増しています。国連の制裁によって北朝鮮産の石炭が禁輸される中、羅津港はロシア産の代替品を輸出するための重要な経路となっています。

まとめ

羅津港は、朝鮮半島北東部において国際貿易と物流の重要なハブとして機能しています。邊国との関係性や経済制裁の影響を受けながらも、その役割は今後も中長期的に注目され続けることでしょう。

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