美々津県

美々津県（みみつけん）

美々津県は、1871年（明治4年）に日向国北部を管轄するために設置された県です。現在の宮崎県北部に相当する地域を統治していました。しかし、その歴史はわずか1年3ヶ月という短期間で幕を閉じました。

概要

美々津県は、第1次府県統合によって、延岡県、高鍋県、佐土原県という3つの県を統合し、さらに日田県の一部と人吉県の一部を編入して成立しました。具体的には、旧富高県と臼杵郡椎葉地方の4村が移管されました。しかし、その後、都城県の一部と合併して宮崎県が発足したため、美々津県は消滅しました。初代参事の福山健偉は、そのまま宮崎県（第1次）の参事を務めています。

沿革

1871年（明治4年）11月14日：第1次府県統合により、延岡県、高鍋県、佐土原県を統合。日田県から旧富高県、人吉県から臼杵郡椎葉地方4村を編入し、美々津県が発足。県庁は児湯郡美々津町（現在の日向市美々津町）に設置されました。県域の境界は大淀川がおおむねの目安とされました。
1872年（明治5年）5月15日：諸県郡のうち、須木郷、野尻郷、および小林郷のうち東方村を都城県へ移管しました。
1872年（明治5年）9月23日：旧人吉藩領の米良地方14村を、八代県球磨郡から美々津県児湯郡へ移管しました。
1873年（明治6年）1月15日：都城県の一部（日向国）と合併し、宮崎県が発足。同日、美々津県は廃止されました。

管轄地域

美々津県が管轄していたのは、日向国の一部です。具体的には以下の地域が含まれます。

臼杵郡
児湯郡
宮崎郡の一部
那珂郡の一部
諸県郡の一部

歴代知事

美々津県には2人の知事がいました。

1. 1871年（明治4年）11月14日 - 1871年（明治4年）12月17日：橋口兼三（参事、前鹿児島県権大参事、元鹿児島藩士）
2. 1871年（明治4年）12月18日 - 1873年（明治6年）1月15日：福山健偉（参事、元鹿児島藩士）

参考文献

美々津県の歴史を研究する上で、以下のような文献が参考になります。

甲斐亮典（監修）『図説東臼杵・西臼杵の歴史』郷土出版社、2008年。
我部政男、広瀬順晧 編『国立公文書館所蔵 勅奏任官履歴原書』下巻、柏書房、1995年。
喜田貞吉 編『日向国史』史誌出版社、1930年。
『布告類編 明治6年』記録課、東京、明治7年。
新聞集成明治編年史編纂会（編）『新聞集成明治編年史』、林泉社、1936年-1940年。
太政官『日本法令索引』（明治前期編）、1872a,1872b,1873年。
日向市史編さん委員会 編『日向市史 史料編』日向市、2003,2004年。
宮崎県 編『宮崎県史 通史編』（近・現代 1）宮崎県。

関連資料

以下は、美々津県に関連する資料です。

禿氏祐祥 著「日向國美々津縣合寺の件」『明治維新神仏分離史料 続編』東方書院、1928年。神仏分離に関する資料です。
石川恒太郎 編『富島町史』（マイクロ）富島町（宮崎県）、1941年。美々津県時代に関する記述があります。
小寺鉄之助（編著）『宮崎県編年史料』 別巻 (宮崎県百姓一揆史料)、宮崎県史料編纂会、1956年。佐土原・高鍋百姓一揆に関する記述があります。
石川恒太郎 編『写真集明治大正昭和日向』（マイクロ）国書刊行会、1980年。
『社寺取調類纂 国立国会図書館所蔵』雄松堂フィルム出版、1983年。美々津県の神社調査に関する資料です。
東郷町 編『東郷町史 通史編』東郷町、1999年。延岡県から美々津県時代に関する記述があります。
北川町 編『北川町史 通史編』北川町、2004年。延岡県から美々津県時代に関する記述があります。
甲斐亮典（監修）『図説児湯の歴史』郷土出版社、2008年。
「美々津港(宮崎県日向市) 日常生活に歴史と伝統を刻む 神武天皇『お船出の地』〈探訪 港町 (Archive vol.06)〉」財界九州社、2013年。
西都市史編さん委員会、西都市史編集委員会 編『西都市史 通史編』 下、西都市、2016年。美々津県時代に関する記述があります。

関連項目

西都市
神仏分離
騒擾事件
* 宮崎県

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