美樹さやか
プロフィール
美樹さやかは、
テレビアニメ『
魔法少女まどか☆マギカ』に登場する主要人物の一人です。見滝原中学校に通う2年生で、主人公の鹿目まどかの親友という設定です。外伝作品にも登場し、様々な物語で異なる側面を見せています。
一人称は「あたし」で、まどかのことを「まどか」、暁美ほむらを「転校生」または「ほむら」、巴マミを「マミさん」、佐倉杏子を「あんた」または「杏子」と呼んでいます。声優は
喜多村英梨が全作品で担当しています。
魔法少女としての武器は、護拳付きの
サーベル状の
刀剣です。魔女化した際には、人魚の魔女(オクタヴィア)へと姿を変えます。
魔法少女としての軌跡
さやかは、まどかと共に魔法少女の世界に足を踏み入れます。幼馴染の上条恭介に恋心を抱いており、彼の腕の怪我を治すためにキュゥべえと契約し、魔法少女になりました。当初は正義感に燃え、積極的に魔女と戦いますが、その行動は「他者のために魔法を使う」という信念に基づいています。しかし、マミから「自分の願いを他者のために使う」ことの危うさを指摘されていた通り、やがて自己犠牲的な行動が悲劇を招きます。
さやかは、他者のために戦ったマミを強く尊敬しており、利己的な杏子や、マミを死なせたと誤解しているほむらを嫌っています。しかし、契約によって自分が人間ではないものに変質したこと、そして恭介と親友である志筑仁美との三角関係に直面したことで、次第に精神的に追い詰められていきます。その結果、心身ともに疲弊し、ソウルジェムを穢れさせてしまい、人魚の魔女へと変貌します。最終的には杏子に倒され、悲劇的な最期を迎えます。
物語の終盤では、まどかによって世界が再構成された後、まどかと再会し、和解します。恭介と仁美の幸せを祈り、まどかと共に昇天します。
[新編]叛逆の物語
[新編]叛逆の物語では、「円環の理」の一部となったさやかが、アルティメットまどかの補佐役として登場します。ここでは、ほむらを救うために、なぎさと共にまどかの記憶を預かり、ほむらのソウルジェムの中に構築された偽りの世界に潜入します。
この作品では、以前は毛嫌いしていたほむらに対しても歩み寄る姿勢を見せており、なぜか同居していた杏子とも仲良くしていました。ほむらの結界内では、魔女として現れ、なぎさと共にほむら救済のために戦います。しかし、ほむらが「円環の理」を拒否したため、再び人間として生きることになります。
ほむらの行為を批判しつつも、かつての恋人である恭介や恋敵であった仁美との再会を喜び、平穏な日常を送っています。
魔法少女おりこ☆マギカ
外伝漫画の『魔法少女おりこ☆マギカ』では、まどかやほむらのクラスメイトとして登場しますが、魔法少女にはなっていません。魔女の結界の中で生き延びようとする姿や、まどかと共に戦う勇敢さを見せています。
スピンオフ漫画の『The different story』では、アニメ本編よりも早く魔法少女となり、マミを助けます。しかし、恭介と仁美の三角関係に苦悩し、マミとのコンビを解消してしまいます。その後、マミの言葉によって自分の本当の願いに気づきますが、ソウルジェムが限界に達し、マミの目の前で魔女化します。まどかの願いによって生き返ります。
漫画『魔獣編』では、マミ、杏子とチームを組んでいます。本編とは異なり、杏子との関係は良好でしたが、恭介の件で徐々に悪化します。最終的には杏子と和解し、「友達」として認め、円環の理に導かれます。本作ではほむらとの関係は描かれていません。
ゲーム『マギアレコード』では、マミの行方不明を知り、神浜市を訪れます。マギウスの翼の一員となったマミと再会し、魔法少女の真実を知ります。その後、マミを救出し、ワルプルギスの夜と戦います。
テレビアニメ版では、キレーションランドでマミを救出する展開に変わっています。
『scene0』では、当初魔法少女になっていませんでしたが、ほむらの忠告を無視して契約し、魔女と戦います。しかし、ソウルジェムの真相を知り、自己嫌悪に陥り、最終的に魔女化します。
キャラクターデザイン
さやかのイメージカラーは
青で、ソウルジェムも
青色です。魔法少女の姿は、軽装の
剣士のようなデザインで、
ビスチェ風のトップと左右非対称のスカート、マントが特徴です。キャラクター原案の
蒼樹うめは、ボーイッシュさと女の子らしさの両方を表現しようとしたと述べています。
髪型も左右非対称で、右半身は髪が長く、スカートが短く、女性らしく、左半身は髪が短く、スカートが長いデザインになっています。通常時は黄色のヘアピンをつけていますが、変身後はなくなります。劇場版では、フォルティッシモの意匠をあしらった髪飾りが追加されています。
性格と特徴
さやかは、活発で正義感が強く、ムードメーカー的な存在です。しかし、実際は思い悩んで行動するタイプで、一度思い込むと一つのことにこだわり続けてしまう頑固さを持っています。
完璧主義な面があり、現実とのギャップに自己嫌悪に陥ることがあります。戦闘では接近戦を得意とし、高い攻撃力と防御力を誇ります。契約時の願いから発現した治癒能力を使って、痛覚を遮断して戦うこともあります。
虚淵玄は、さやかについて「助からない」のではなく、自分の本望を認めて覚悟を固めた結果として「恭介を助けてしまった」と述べています。
玩具展開
2012年には、
フィギュアが販売され、高い人気を博しました。
グッドスマイルカンパニーの年間ランキングでは、figmaが10位、
ねんどろいどが13位にランクインしています。
まとめ
美樹さやかは、魅力的なキャラクターであり、その複雑な内面や悲劇的な運命は、多くのファンを魅了し続けています。彼女の多面的な魅力をぜひ深く知ってみてください。