暁美ほむら

暁美ほむら

暁美 ほむら（あけみ ほむら）は、テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する重要なキャラクターです。外伝漫画やゲームなど、様々なメディアにも登場し、その複雑な内面と行動で多くのファンを魅了しています。

プロフィール

ほむらは「時間操作」の魔法を操る魔法少女です。作中では、時間操作能力と人間社会から持ち出した銃火器や爆弾などを組み合わせて戦います。ファンからは親しみを込めて「ほむほむ」という愛称で呼ばれています。

一人称は「私」で、他のキャラクターの呼び方も特徴的です。鹿目まどかは「まどか」、美樹さやかは「美樹さやか」、巴マミは「巴マミ」、佐倉杏子は「杏子」と呼びます。まどかと杏子以外はフルネームで呼び捨てにしている点も彼女の人間関係を表しています。

声優は各作品共通で斎藤千和さんが担当し、英語版ではクリスティーナ・ヴィーさんが演じています。舞台版では河田陽菜さんが演じました。

役柄と物語での役割

魔法少女まどか☆マギカ

本編では、異なる時間軸から来た鹿目まどかの友人として登場します。当初は謎めいた言動でまどかを翻弄しますが、物語が進むにつれて、その真意が明らかになっていきます。彼女は元々、病弱で引っ込み思案な少女でしたが、まどかの悲劇的な運命を変えるため、キュゥべえと契約し、時間を遡る力を手に入れます。

幾度も時間を繰り返す中で、魔法少女の本質やキュゥべえの正体を知り、まどかを守るために戦い続けます。過去には眼鏡をかけ、三つ編みにしていた時期もありましたが、誰にも頼らず魔女を倒す決意を固めてからは、外見も変えています。普段はクールな口調ですが、まどかに対しては時折、素の口調を見せることもあります。

戦闘においては、時間操作能力を駆使し、盗み出した火器を使用します。当初は手製の爆弾を使っていましたが、美樹さやかからの指摘を受け、銃火器を使うようになりました。まどかへの想いは、友情から次第に依存に近い感情へと変化し、彼女の生死のみを価値基準とするようになります。しかし、そのことがまどかを最強の魔法少女にして最悪の魔女となる素質を持たせるという皮肉な結果を招きます。

最終話では、まどかによって再構成された世界でも記憶を保持しており、時間制御能力は失ったものの、まどかの武器である弓を受け継ぎ、新たな戦いに挑みます。

[新編]叛逆の物語

劇場版では、ナイトメアとの戦いに違和感を抱き、その真相を追究します。やがて、自分自身が作り出した結界の中にいること、キュゥべえに利用されていることに気づき、円環の理に導かれず魔女になることを選択しようとします。しかし、他の魔法少女たちの活躍によってキュゥべえの企みは阻止され、まどかが現れます。しかし、ほむらはまどかを円環の理から引き離し、世界を改変します。そして、悪魔を自称し、ダークオーブへと変化します。

世界の改変後、ほむらは転校生としてまどかと再会しますが、「欲望より秩序の方が大事」というまどかの言葉に失望し、敵対する可能性を示唆します。

その他の作品

外伝漫画『魔法少女おりこ☆マギカ』では、まどかのクラスメイトとして登場し、主人公の美国織莉子と対立します。

漫画『魔法少女まどか☆マギカ〜The different story〜』では、本編と同様にマミやさやかと距離を置き、杏子と協力してワルプルギスの夜に対抗します。

『魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編]』では、主人公として登場し、魔獣との戦いに身を投じます。この世界では、時間逆行の魔法が記憶操作の魔法に変化しています。

キャラクター設計

ほむらは、巴マミとは異なるベテラン魔法少女として位置づけられています。脚本家の虚淵玄さんによれば、物語の真相に至るまでの牽引役であり、主人公のまどかとは対照的に、問題を抱えたキャラクターとして設定されています。彼女には家族の描写がありませんが、これは意図的なものではなく、必要がなかったためだとされています。

イメージカラーは黒と紫で、長い黒髪にカチューシャを付けた姿が特徴です。魔法少女への変身時の衣装は学校の女子制服のようなデザインで、左腕には砂時計と“四次元ポケット”を内蔵した円形の盾を装備しています。ソウルジェムの色は紫で、変身時は左手の甲に装着されます。劇場版では、弓のデザインがまどかの弓に近づき、終盤には悪魔ほむらへと変貌します。

声優の斎藤千和さんは、オーディションでほむら役に抜擢されました。当初はキュゥべえなどの役を受けていましたが、虚淵さんの勧めでほむら役も受けたそうです。斎藤さんは、ほむらを演じるにあたり、キャラクターの内面を深く理解し、その複雑さを表現しました。

能力と武器

ほむらは、円形の盾に内蔵された砂時計を用いた「時間操作」の魔法を操ります。操作できる砂の量は1か月分のみで、時間停止か時間遡行しかできません。攻撃魔法は持たないため、魔法少女としての強さは意見が分かれています。

改変後の世界では、盾を失い、光の矢を放つ黒い弓を手にしています。この弓は、まどかとほむらのお互いを想う強い気持ちから生まれた奇跡によって生まれたものです。また、記憶操作の魔法も使えるようになっています。

作中では、様々な火器を使用します。ベレッタM92F、デザートイーグル、ミニミ軽機関銃、AT-4、RPG-7、トマホークミサイル、クレイモア地雷などが登場します。RPG-7はファンからの冗談をきっかけに採用されたというエピソードもあります。

人物像

心臓病を患っていたため、友人が少ない少女でした。時間を遡行するうちに、他人から理解されることを諦め、クールな性格を演じるようになります。しかし、根本的な優しさを捨てきれない部分も持ち合わせています。

まどかへの好意は、愛情というより依存に近い感情だと評されています。しかし、総監督の新房昭之さんは、ほむらのまどかへの愛は恋愛よりも広い、友愛の感情ではないかと述べています。

現実での反響

ほむらは、ファンから非常に人気のあるキャラクターです。劇中での活躍から、まどかとほむらのどちらが主人公なのかという議論も起こりました。ニュータイプアニメアワードでは、女性キャラクター賞で1位を獲得し、NHKの「わたしの大好きなヒロインたち」では2位にランクインしました。

フィギュアも多数展開されており、グッドスマイルカンパニーのランキングでは、ねんどろいどとfigmaが上位にランクインしています。

2012年には、盲導犬普及支援の啓発ポスターに採用されました。

暁美ほむらは、『魔法少女まどか☆マギカ』という作品を語る上で欠かせない、魅力的なキャラクターです。彼女の複雑な内面と、まどかへの深い愛情は、多くのファンの心を捉え続けています。

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