美流渡炭鉱

美流渡炭鉱の歴史

美流渡炭鉱は、北海道の石狩炭田に位置し、夕張山地南部の夕張炭田に属していた炭鉱です。その歴史は、1918年（大正7年）に北海道炭礦汽船株式会社によって開鉱されたことに始まります。当時、万字炭鉱から石炭を輸送するために国鉄万字線が開通したことが、沿線地域の炭鉱開発を大きく後押ししました。美流渡炭鉱もその一つとして、この地域の発展に重要な役割を果たしました。

開鉱当初、美流渡炭鉱で採掘された石炭は、万字線の美流渡駅から積み出されていました。そのために、専用鉄道である北星炭礦美流渡礦専用鉄道が敷設され、効率的な輸送体制が整えられました。これにより、炭鉱は順調に発展を遂げ、地域経済の重要な支柱となりました。

しかし、戦後の経済状況の変化と北炭（北海道炭礦汽船）の合理化政策の中で、美流渡炭鉱の経営は子会社の北星炭鉱へと引き継がれることになります。北星炭鉱は、その経営努力によって炭鉱の存続を図りましたが、1966年（昭和41年）にはついに採掘を中止し、閉山という決断に至りました。長きにわたり地域を支えてきた美流渡炭鉱は、その歴史に幕を閉じ、施設の多くは解体されました。

伊藤炭鉱の進出

北星炭鉱が美流渡炭鉱から撤退した後、この地には独立系の伊藤炭鉱が進出しました。伊藤炭鉱は、大規模な地下採掘ではなく、小規模な露天掘りによる採掘を行いました。しかし、採掘規模は小さく、1988年（昭和63年）には採掘を中止し、その歴史を終えました。

美流渡炭鉱の閉山と、その後の伊藤炭鉱の撤退は、この地域における炭鉱業の終焉を象徴する出来事でした。かつて炭鉱で賑わったこの地域は、炭鉱閉山後、新たな道を模索し、現在に至っています。

美流渡炭鉱の遺産

美流渡炭鉱の閉山から長い年月が経過しましたが、その歴史は今もなお、地域の記憶の中に残っています。炭鉱の遺構は、一部が解体されたとはいえ、その存在がかつての繁栄を物語っています。

関連項目

* 日本の鉱山の一覧

美流渡炭鉱は、北海道の炭鉱史において、重要な役割を果たした炭鉱の一つであり、その歴史は、日本の近代化を支えた炭鉱業の盛衰を物語る上で、欠かせない要素です。

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