美濃北方駅

美濃北方駅の歴史と概要

美濃北方駅（みのきたがたえき）は、岐阜県本巣郡北方町加茂に位置していた名古屋鉄道揖斐線の駅です。この駅は、1914年に岐北軽便鉄道の駅として開業し、2005年に揖斐線の廃線と同時に廃駅となりました。駅の歴史とその変遷を振り返りながら、駅周辺の状況についても触れていきます。

開業と発展

美濃北方駅の開業は1914年3月29日、岐北軽便鉄道が忠節駅から北方町へ向かう路線の一部として始まりました。当初の駅名は北方町駅（きたがたまちえき）でした。この鉄道は、北方町までの路線を完成させることを目指して設立されたもので、開業直後は忠節駅との間で運行されていました。

1926年には、美濃電気軌道による黒野駅までのラインが開通し、同年11月には駅名が美濃北方駅に改称されました。また、駅の運営状態も変化し、2000年には無人駅とされ、2005年4月の揖斐線全線の廃止により歴史の幕を閉じました。

駅構造

美濃北方駅は相対式2面2線の駅でした。かつては有人駅でしたが、2000年以降は無人駅となり、少々寂しい状況にあったと言えるでしょう。1番線は黒野駅方面、2番線は忠節駅・岐阜市内線方面へと繋がっていました。駅舎は開業時からのもので、タクシーを呼ぶための電話が設置されていました。

廃駅となった後、駅舎は厳重に封鎖されたままでしたが、取り壊されて現在はその跡形もありません。駅周辺は区画整理が行われ、その結果、ホーム跡なども撤去されました。

駅跡地と現在の状況

2024年現在、かつての駅跡地では有志が中心となって岐北軽便鉄道の発祥地を示す記念碑や案内板が設置されています。また、駅名票や距離標、砕石が再整備されたエリアに集められ、訪れる人々に歴史を伝えています。これにより、地元の方々や観光客にとっても教育的な場となっています。

利用状況と周辺環境

美濃北方駅はかつて充実した利用状況を誇っていました。1992年度のデータによると、1日平均乗降人員は2,836人で、揖斐線内では2位という高水準でした。駅の近くには本巣松陽高等学校や岐阜第一高等学校があり、学生たちにとって身近な存在でした。

さらに、近隣の樽見鉄道樽見線の北方真桑駅もわずか1キロメートルほど離れており、交通の面でも利便性の高い場所でした。周辺にはアピタ北方店やいとぬき川ショッピングセンター（後のパワーズ）などの商業施設もあり、地域の活性化に貢献していました。

結論

美濃北方駅は、その歴史的背景や地域に果たした役割から、多くの人々にとって重要な存在でした。現在はその姿を消しましたが、駅の記憶は様々な形で地域に残され、今なお人々に語り継がれています。地域の発展を支えた一つの証として、今後もその思いは受け継がれていくことでしょう。

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