美濃電気軌道の木造単車

美濃電気軌道の木造単車について

美濃電気軌道は1911年に路線を開業し、最初の年に木造車体を持つ4輪単車を12両導入しました。これが美濃電気軌道における木造単車の始まりで、その後の増備を含めて、最終的に合計56両が運行されることになりました。また、他の企業からの合併によって、さらに10両が美濃電の所属となりました。

木造単車の特徴としては、めでたくも美濃電気軌道全体で66両のうち57両が名古屋鉄道に引き継がれました。美濃電気軌道当時は車両の形式称号が存在しなかったため、特有の付番体系に基づいて番号が付与されていました。名鉄に合併以降もこの形式称号は一時的に欠如していましたが、1949年にはすべての車両に形式称号が付与され、様々な形に分類されました。

美濃電気軌道が新製した木造単車は基本的にダブルルーフ構造で、オープンデッキ形状を特徴とし、客室の窓数は8枚でした。このデザインは主に大正から昭和初期にかけての普遍的な路面電車デザインを反映しています。主要な機器は異なるメーカーで製造されていましたが、共通の制御方式として直接制御が利用され、常用の手ブレーキと非常用の発電ブレーキが装備されていました。また、集電装置はトロリーポールが採用されていました。

戦後の改造により、前照灯の位置が変更され、客用扉が新たに設けられるなどの改良が施されましたが、特定の車両には変更が行われなかったケースもあります。特に、モ45形については外吊り扉を施さず、旧来の形状をそのまま保ちました。

車両の維持と廃止

1967年7月23日の全廃まで、これらの木造単車は美濃電気軌道の一翼を担い続けました。その際、電気機器の搭載に応じてアルファベットが付与される付番体系により、各車両の違いが記されていました。たとえば、Dはイングリッシュ・エレクトリック製、Sはシーメンス製、Gはゼネラル・エレクトリック製を示しました。

特にDグループは開業に向けて新製されたもので、自社製造の鉄道車両と同様に設計されました。D1からD12、D34の合計12両はすべて天野工場で製造されています。中には、他社との機器交換を経て名称が変更された車両も存在しました。

また、増備時に導入された車両には、必要に応じて形式称号が付与されることとなります。例えば、Dグループはモ1形からモ50形まで多様に分類されています。

まとめ

美濃電気軌道の木造単車は、地域の交通インフラとして重要な役割を果たし、長い歴史を持つ運行車両でした。戦後の改造や形式の付与により、時代に合わせた変革を遂げることができたこれらの車両は、その時代背景や技術的進歩を反映し、愛され続けた結果、歴史の一部として今に伝えられています。解説を通じて、その歴史的魅力や技術的特徴を再認識することができます。

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