美濃電気軌道BD500形電車

美濃電気軌道BD500形電車

美濃電気軌道BD500形電車は、日本の岐阜県に位置する美濃電気軌道によって1921年に製造された木造の四軸ボギー車です。この電車は、同社にとって初めてとなる四軸ボギー車であり、主に名古屋電車製作所で新造されました。

BD500形は、特に当時の技術を反映した車両であり、高い運行能力を持っていました。車両の形式称号の「B」はボギー車、「D」はデッカー系電装品を示しています。BD500形は、1941年に形式の見直しが行われた際に「モ500形」と改称されましたが、編成番号は従来のままとなりました。

設計と技術的特徴

BD500形は、デッカーシステムに由来するイングリッシュ・エレクトリック社製の主要機器を搭載しており、2基のモーターを用いた直接制御を行う設計のもと、優れた走行性能を発揮しました。これにより、乗客は快適な旅を楽しむことができ、空気ブレーキを備えているため、安全面にも配慮されていました。

車両の台車には、鍛造製のブリル76E-1が使用されており、非常に頑丈で信頼性が高い設計がなされています。側面窓の配置は、V 4 2 2 4 Vとされ、乗降デッキ部分と車両内の窓の配置を工夫されたものでした。

車体の変遷

この電車の車体は、木造のダブルルーフ構造を採用しており、初期の形態ではオープンデッキが取り入れられていました。しかし後の改装に伴い、デッキ部分は改修され、客用扉が新しく設けられました。また、集電装置もポールからビューゲルに置き換えられました。1964年から1965年にかけては、外装に鋼板が施されて簡易鋼体化が行われ、耐久性が向上しました。

運用の歴史

BD500形電車の運用は、初めは笠松線で行われていましたが、1925年には軌道線に転属され、主に美濃町線や鏡島線で使用されました。その後、1970年にはモ600形に取って代わられ、全車両が廃車となる運命を辿りました。

脚注と参考文献

美濃電気軌道BD500形に関する知見は、いくつかの書籍や雑誌にまとめられています。中でも、日本路面電車同好会名古屋支部の『路面電車と街並み 岐阜・岡崎・豊橋』や、和久田康雄の『日本の市内電車─1895‐1945』が代表的な参考文献として挙げられます。また、清水武の『名鉄岐阜線の電車 - 美濃電の終焉（上）』も有用な情報源です。これらの資料は、BD500形の歴史や技術についてさらに深く知るための貴重な手がかりとなります。

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