群馬県立ぐんま天文台

群馬県立ぐんま天文台は、群馬県吾妻郡高山村に位置する公開天文台で、1999年7月21日に全面オープンしました。群馬県人口が200万人に達したこと、そして日本人女性初の宇宙飛行士である向井千秋氏の宇宙への旅立ちを記念し、県民の宇宙への関心を高め、次世代を担う子供たちの教育のために建設されました。

施設概要

天文台は、観測ドーム、観測棟、宇宙・天文展示、屋外展示、学校教育支援施設、生涯学習施設、研究機関としての役割を担っています。一般公開では、施設見学、天体観望会、天文講演会、天文関連イベントなどが開催され、研究活動も行われています。

台長は、天文学者の古在由秀氏が務めました。

教育研究業務活動としては、職員による観測研究のほか、国内外の大学・研究機関との共同観測を実施。また、天文学校などの独自教育、学校教育支援、国内外の天文学研究者養成支援にも力を入れています。

普及活動としては、講演会や講座、天体現象に関するイベント、広報誌の発行などを通じて、天文学への理解を深める取り組みを行っています。

沿革

1993年8月、群馬県人口200万人到達記念事業に選定されたことを皮切りに、1995年11月には天文台建設基本構想が策定されました。1999年4月には、主観測装置である150センチメートル反射式望遠鏡のファーストライトが実施され、同年4月29日に一部オープン、7月20日には遊歩道と屋外モニュメントが完成し竣工式、そして7月21日に全面オープンに至りました。

観測機器

天文台には、様々な観測機器が設置されています。

大型望遠鏡（ドーム内）
150センチメートル反射式望遠鏡（11mドーム内）：有効口径1.5m、リッチークレチアン式光学系を持ち、可視光から近赤外線までの波長を観測可能です。各種焦点を用いて様々な観測に対応できます。
65センチメートル反射式望遠鏡（7mドーム内）：有効口径0.65m、カセグレン式光学系を持ち、冷却CCDカメラや分光器を用いて観測を行います。

太陽望遠鏡（本館屋上4mドーム内）
口径30センチメートルのグレゴリアンクーデ式望遠鏡と、撮像用屈折式望遠鏡があり、太陽の様々な像を観察できます。

小型望遠鏡
観察用望遠鏡（観望棟内）：15センチメートル屈折式望遠鏡を基本に、25センチメートル、30センチメートルの反射式望遠鏡が併設されています。
移動式望遠鏡（観測スペース）：10センチメートル屈折式望遠鏡や20センチメートル反射式望遠鏡が利用可能です。

65センチメートル反射式望遠鏡と小型望遠鏡は、深夜の占有利用（レンタル）が可能です。移動式望遠鏡は観測スペースでのみ使用できます。占有利用には望遠鏡使用資格が必要で、講習会への参加が必要です。

施設内容

本館には、受付、売店、映像ホール、事務室などが設置されています。2階には、太陽展示コーナー、恒星進化の展示パネル、観測機器の説明模型などがあります。特に太陽展示コーナーでは、大きな直接投影像や太陽スペクトルを観察できます。屋外には、インドのジャンタル・マンタルやイギリスのストーンサークルを模した展示があり、星の位置観察ができます。駐車場は天文台本体から離れており、遊歩道で結ばれています。

施設利用案内

開館日は年末年始と月曜日（祝日の場合は火曜日）を除く毎日です。開館時間は季節によって異なり、施設見学は昼間、天体観望は夜間に行われます。予約は一般は不要ですが、団体は必要です。専門職員による館内ツアーも開催されています。

入館料は、一般大人300円、大学・高校生200円、中学生以下無料です。団体割引や障害者割引があります。観測機器の占有利用には別途料金が必要です。

広報等

広報誌『ステラ―ライト』を発行し、天文台の活動を紹介しています。日本天文学会の総会なども開催されており、スターウォッチングや流星群観測などのイベントも活発に行われています。

各種映画制作等の活用例

近年では、特撮番組やテレビドラマ、映画などのロケーション撮影にも利用されています。特にスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズで多く使われています。

これらの情報から、群馬県立ぐんま天文台は、県民にとって宇宙や天文学を身近に感じられる貴重な施設であり、教育普及や研究活動の拠点としても重要な役割を果たしていることがわかります。

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