羽後山田駅

羽後山田駅の概要

羽後山田駅（うごやまだえき）は、秋田県湯沢市内の深堀地区に位置していたかつての鉄道駅です。この駅は、羽後交通に属する雄勝線の一部であり、1928年に開業しました。しかし、1973年に雄勝線が廃止される際に、その運命を共にしました。この駅は、地域の交通に重要な役割を果たしていましたが、現在はその跡地は異なる用途に転用されています。

駅の歴史

羽後山田駅の歴史は1928年にさかのぼります。この年の8月10日、雄勝鉄道の湯沢駅と西馬音内駅を結ぶ路線が開通した際に、この駅も設置されました。1943年には交通の統合に伴い、横荘鉄道の駅として扱われることとなりました。翌年の1944年、鉄道会社名が羽後鉄道に改称され、路線名も雄勝線に変更されました。

駅の運営は1947年に一時的な混乱を経て再開し、1951年には信号機と連動装置が設置されることで交換駅としての機能を持つようになりました。その後、鉄道会社名が1952年に羽後交通に再度改称され、現在の名称が定着しました。1971年以降は無人駅となり、1973年の廃線に伴い、羽後山田駅は正式に営業を終了しました。

駅の構造

駅が廃止される当時、羽後山田駅は1面1線の島式ホームを有する地上駅でした。近年は交換設備が無くなり、無人駅として機能していましたが、当初は二つの線で使用された交換駅でもありました。また、貨物の積卸場も存置されており、農作物や鉱石の輸送も行われていました。

駅舎は北東側に位置し、ホームとの連絡には構内踏切が設けられていました。無人化後も当時の駅舎が残り、訪れる人々にかつての賑わいを想像させます。

雄物川橋梁

羽後山田駅は雄物川を渡る橋梁の近くに位置していました。雄物川橋梁は、典型的な杭打工法ではなくオープンケーソン工法を採用して建設されました。この橋は中古のデッキガーダーが使われるなど、建設コストを抑えつつ工期内に完成されています。

駅周辺の様子

駅周辺は深堀地区の北東部に位置し、南西側には集落が広がっています。東側には雄物川が流れ、その対岸には湯沢市の市街地が見えます。この地域は穀倉地帯としても知られ、農業が盛んな場所でもあります。近くにはJAこまちライスセンターや医療機関もあり、地域の生活を支える施設が点在しています。

駅跡の変遷

列車の運行が停止した後、羽後山田駅の跡地は1980年に「深堀保育園」として再利用されました。保育園の設立に際し、元の駅の特徴は様々な形で残されています。また、雄物川橋梁の跡地も一部が保存されており、地元の歴史を語る重要な場所となっています。

駅が廃止されてから長い年月が経過しましたが、今なおその名残を探し求める人々によって、羽後山田駅の記憶は地域に根付いています。この地の故事を知り、新しい世代に受け継がれています。

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