羽曳野丘陵

羽曳野丘陵について

羽曳野丘陵は、大阪府の南河内地域に位置する丘陵であり、堺市美原区、富田林市、羽曳野市、藤井寺市、河内長野市にまたがる広大な洪積台地です。この丘陵は、古くから日本武尊の白鳥伝説で知られており、現在ではPL教団本部、PL学園、PLの塔などのランドマークが存在します。また、金剛ニュータウンを始めとする新興住宅地が開発され、多くの人々が暮らす地域となっています。

地形

羽曳野丘陵は、石川の左岸沿いと東除川の間に位置し、南北約10km、東西約4kmに及ぶ広がりを持っています。丘陵地南部の最高点は標高160mであり、そこから北に向かってなだらかに傾斜しています。最高点の位置は現在、錦織公園として整備されており、かつての雑木林が一部残されています。

地質

丘陵を構成する地層は、第三紀末から第四紀洪積世前期（約200万年前）にかけて、汽水域などに堆積した未固結の地層（礫、砂、シルト、粘土）である大阪層群で構成されています。一部は高位段丘層で形成されています。富田林市では、約100万年前に生息していたアケボノゾウの足跡や牙の化石、植物化石が発掘されています。

形成

羽曳野丘陵が隆起により形成された時期は、大阪層群の地層から、六甲山の変動が始まった170万年前からだと考えられています。丘陵東岸では、隆起によって生じた富田林褶曲が、丘陵地中央部の金剛ニュータウンでは、陶器山褶曲が確認できます。丘陵の隆起の影響により、丘陵南端の富田林市錦織と河内長野市木戸町の間では、天野川と石川の河川争奪が発生し、細谷池・細谷川がその名残とされています。

名前

古代の頃、羽曳野丘陵の北部・西部の標高50～80m付近は埴生(はにう)山と呼ばれていました。白鳥神社を始めとする日本武尊の白鳥伝説により、羽曳山、羽曳野と称されるようになったとされています。

歴史

縄文時代には、藤井寺市の国府遺跡を始めとした丘陵地北端の標高の低い位置に集落が形成されていました。一方で、標高の高い羽曳野丘陵中央部では、当時の遺跡はほとんど発見されていません。

古墳時代には、北部では誉田御廟山古墳を始めとした古市古墳群が、中央部・南部では廿山北古墳、廿山古墳のような古墳が多く丘陵上に築造されました。

昭和30年頃までは、丘陵一帯は赤松と雑木林に覆われた未利用地でしたが、近年では新興住宅地の開発が進み、丘陵上の大部分の土地が羽曳野が丘、金剛ニュータウンのようなニュータウンや、四天王寺大学や大阪府立大学羽曳野キャンパスのような大学の敷地として造成工事が行われました。

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