羽田可動橋

羽田可動橋について

概要

羽田可動橋（はねだかどうきょう）は、東京都大田区にある海老取川河口に架かる橋で、首都高速道路羽田線の一部を構成しています。この橋は独特な旋回橋構造を持ち、1998年からは使用が停止されています。

本橋は海老取川の下を通る羽田トンネルの上に位置し、羽田線の上り線における一方通行の道路です。空港入口（現・空港西入口）からやってきた車両は、海老取川を越えた場所でトンネルに合流していましたが、現在はその手前で合流し、トンネルを経由する様になっています。

歴史

羽田線は1994年に湾岸線の一部が開通するまでは、東京都心から千葉、羽田空港、横浜方面へ向かう主な交通路でした。この道路には常に重い交通が集中し、頻繁に渋滞が発生していました。特に羽田トンネルでは水底トンネル特有の上り勾配があり、渋滞を悪化させていました。また、トンネル手前の合流部の短さと視界が悪いカーブは、事故のリスクを高めていました。

このため、1990年に上り線の空港入口からトンネル出口方面にかけて、特に迂回路として羽田可動橋が設置されることになりました。この橋は1990年に使用を開始し、1998年まで使用されてきました。しかし、その後は交通量の減少により使用が停止されました。

現在でも、羽田空港の拡張に備えて橋はその姿を留めており、周辺の首都高の管理施設にも接しています。使用が停止された後も、橋の有用性が見直されることがあります。特に、羽田トンネルの老朽化問題が指摘される中で、首都高速道路株式会社はこの橋を復活させる構想を持っています。

構造

羽田可動橋は、海老取川の北端で南から北に流れる水路に架かっています。さらに、周辺には工場や鉄工所が位置し、大型船の航行を確保する必要があるため、白地での水底トンネルが選ばれました。そのため、従来の道路構造物と共存するために、通常の橋とは異なる旋回橋という形式が採用されたのです。

この橋は、南東から北西に斜めに架かっており、可動部分は右岸と左岸に分かれています。航行の必要に応じてこれらの部分は回転し、潮流に合わせて橋が動く仕組みになっています。

年表

• - 1990年4月16日：羽田可動橋が開通
• - 1998年4月：使用停止

使用時の道路運用

通常時、空港西入口から昭和島JCT方面へ向かう車は全て可動橋を通過する必要がありました。その一方で、横浜から本線に向かう車は羽田トンネルを利用し、直接本線へ合流することはできませんでした。船舶航行のための措置として、トンネル手前の合流部が開放されたこともありました。

現状

羽田トンネルの開通から50年以上が経過し、トンネル内部には腐食や劣化の問題が蓄積されています。この問題に対処するために、首都高速道路㈱は本橋を活用し渋滞解消策を模索しています。具体的には、改修工事に伴ってこの可動橋を上り線の主要通行路として再利用する計画が進行中です。

まとめ

羽田可動橋は、利用が停止された現在でも重要な役割を果たす可能性を秘めています。交通網の見直しや更新が進む中で、トンネルの安全対策を講じる一環として、この橋の復活はますます注目されています。

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