羽衣の滝

羽衣の滝

概要

羽衣の滝は、北海道上川郡東川町に位置する、忠別川の支流であるアイシポップ沢と双見沢に懸かる滝です。この滝は7段に分かれており、その途中で二つの沢が合流するという珍しい特徴を持っています。1951年に北海道指定名勝として文化財に指定され、1991年には「日本の[[滝百選]]」にも選定されました。落差は270メートル、標高1000メートルに位置する段瀑です。

大雪山系の東側に位置し、忠別川の浸食によって形成された天人峡の一角にあります。落差270メートルは、北海道内では最大であり、全国でも立山の称名滝（350メートル）に次ぐ第二位の高さ（諸説あり）を誇ります。滝の地質は、上部が溶結凝灰岩、中部が軽石質凝灰岩、下部が第三紀火山岩で構成されています。これらの異なる地質が、浸食度の変化を生み出し、7段に屈折しながら落下する複雑な水の流れと、独特の景観を作り出しています。

歴史

1900年頃に発見された当初は「夫婦滝」と呼ばれていました。その後、1918年に大町桂月がこの滝を訪れ、「千丈の懸崖雲上に連なり、懸崖欠くる処飛泉を掛く、相看てただ誦す謫仙の句、疑ふらくは是れ銀河の九天より落つるか」と絶賛し、「羽衣の滝」と命名したと伝えられています。

観光

羽衣の滝は、大雪山への登山口の一つでもある天人峡温泉に近接しており、温泉街から滝へと続く遊歩道が整備されています。また、天人峡には忠別川本流に懸かる敷島の滝もあり、こちらは落差20メートルほどながらも、水量が豊富で「東洋のナイアガラ」や「北海道のナイアガラ」とも呼ばれています。

2013年5月には、冬期の遊歩道閉鎖期間中に大規模な土砂崩れが発生し、展望台や遊歩道が埋没する被害を受けました。その後、復旧作業が長期にわたりましたが、2018年6月11日に約5年ぶりに遊歩道が開通しました。

天人峡温泉から約1.5km（約1時間から1時間半）の登山道を登ると、高低差約230メートルの場所に位置する「滝見台」に到着します。ここからは、羽衣の滝の全景と敷島の滝を一望できます。

アクセス

車：旭川空港から約1時間。
バス：JR旭川駅からいで湯号バスで約1時間30分、天人峡下車。

その他

滝の周辺は自然環境が豊かであるため、訪問の際はマナーを守り、自然を大切にしましょう。
時期によっては遊歩道が閉鎖されることがありますので、事前に情報を確認することをおすすめします。

参考資料

* 北中康文『日本の滝1 東日本661滝』山と渓谷社、2004年。ISBN 4-635-06257-0。

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