羽衣学園短期大学

羽衣学園短期大学

羽衣学園短期大学（はごろもがくえんたんきだいがく、略称：羽衣短大）は、大阪府堺市西区浜寺南町に本部を置いていた日本の私立短期大学です。学校法人羽衣学園によって運営され、1964年の設置から2007年の廃止まで、多くの学生を受け入れました。

沿革

短期大学の起源は、1923年に設立された羽衣高等女学校に遡ります。学校法人としての認可を経て、1964年4月1日に家政科と文学科の2学科体制で羽衣学園短期大学が開学しました。当初の入学定員は各学科40名でした。その後、学科の拡充が進み、1968年には文学科が国文専攻と英文専攻に分かれ、1983年には家政学科が被服専攻と食物専攻に、1986年には家庭経営専攻が増設されました。この間、入学定員も段階的に増加し、最大時には文学科、家政学科合わせて入学定員が480名を超える規模となりました。1987年には所在地が高石市から現在の堺市に変更されています。1994年には家政学科被服専攻が服飾デザイン専攻に名称を変更。1996年には国際教養学科が新設され、学科体制がさらに充実しました。しかし、時代の流れと共に組織再編が行われ、1998年に家政学科各専攻の学生募集が停止され、1999年には家政学科が人間生活学科に改組、国際教養学科は国際コミュニケーション学科に改称されました。2000年には男女共学化が実施されました。その後、学生募集停止が段階的に行われ、2001年度入学生を最後に文学科（国文・英文専攻）と国際コミュニケーション学科の募集を終了。最終的に2004年度入学生をもって短期大学としての使命を終え、2007年1月11日に正式に廃止されました。

教育・研究

羽衣学園短期大学では、文学科国文専攻を中心に特色ある科目が提供されていました。例えば、「大阪の文化と文学」は、1983年に「大阪の文学」として始まり、1993年に現在の名称に改められた科目で、地域の文化や文学への理解を深めることを目的としていました。また、「日本古典芸能」の授業では、狂言に関するカリキュラムが組まれるなど、実践的な学びの機会も提供されていました。加えて、全国の短期大学の中では珍しく、中国語や中国文化に関する科目が設置されていたことも特徴の一つです。研究活動としては、国際関係総合研究所が設置され、『羽衣学園短期大学研究紀要』などが刊行されていました。

学風・特色

本学は、母体である高等女学校の伝統を受け継ぎ、かつては女子のみを対象とした教育を行っていましたが、2000年には男女共学となりました。教育においては国際交流を積極的に推進し、海外の大学との協定を結んでいました。また、1999年10月からは放送大学との間で単位互換制度が導入され、学生の学習機会の多様化を図っていました。

学生生活と施設

学生生活においては、体育系・文化系問わず様々なクラブ活動が活発に行われていました。体育系ではソフトテニス部やフィールドホッケー部などが活動し、特にソフトテニス部は全国私立短期大学体育大会で3位、フィールドホッケー部は全日本インターカレッジで4位となるなど、優れた成績を残しています。文化系では華道、茶道、コーラス、軽音楽など多様なクラブがありました。学園祭は「ENDLESS CARNIVAL」と称され、学生たちが企画運営に参加し、賑わいを見せていました。キャンパス内には、地元の著名な歌人である与謝野晶子の歌碑が建立されており、教育的な環境の一部となっていました。カレッジマークは、学名にちなみ鳥の羽衣をイメージしたデザインであり、大学歌は安西冬冬樹が作詞、信時潔が作曲を手掛けていました。

対外関係と卒業後の進路

国際交流においては、アメリカのノースランド大学やシアトル大学、中国の大連大学と協定を結んでいました。国内では放送大学との単位互換を行っていました。学校法人羽衣学園には、羽衣国際大学や羽衣学園中学校・高等学校があり、系列校との連携も図られていました。卒業生の多くは社会で活躍する一方、四年制大学への編入学を目指す者も少なくありませんでした。文学科、家政学科、国際系学科など、各学科から様々な大学への編入学実績がありました。

羽衣学園短期大学は、約40年間にわたり教育活動を展開し、多くの卒業生を社会に送り出した後、その歴史に幕を閉じました。

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