習志野運輸区

習志野運輸区・習志野電車区

習志野運輸区について

かつて千葉県船橋市に存在した、東日本旅客鉄道（JR東日本）千葉支社の乗務員が所属する組織です。運転士と車掌が在籍しており、旧習志野電車区の敷地を引き継いだため、仕業検査や構内業務も担当していました。この組織は2024年3月15日をもってその役割を終え、現在は津田沼統括センターの乗務ユニットとして機能しています。

歴史

習志野運輸区およびその前身組織の歴史は、総武本線の電化に伴う津田沼への車両基地開設に始まります。

1935年（昭和10年）7月1日: 総武本線船橋駅と千葉駅の間が電化された際、津田沼に電車庫が設けられました。同年9月には津田沼電車区へと名称が変更されています。
1986年（昭和61年）9月1日: 津田沼電車区は組織が分割され、運転士部門は津田沼運転区、車両の管理や検査・修繕を行う部門は習志野電車区としてそれぞれ発足しました。
1987年（昭和62年）4月1日: 国鉄分割民営化に伴い、これらの組織は東日本旅客鉄道（JR東日本）に引き継がれました。
1989年（平成元年）10月24日: 習志野電車区の構内で、出庫のため待機していた列車に後続の出庫列車が衝突する事故が発生しました。これは後続列車の運転士が信号を見落とし、指示を超えて進行したことが原因でした。
1991年（平成3年）3月16日: 津田沼運転区と、津田沼車掌区の一部が統合され、新たに習志野運輸区が誕生しました。これにより、乗務員部門が一つの組織にまとめられました。
2003年（平成15年）12月15日: 車両基地としての役割を担っていた習志野電車区が廃止されました。配置されていた209系やE231系などの電車は三鷹電車区へ転属し、習志野運輸区は車両の日常的な検査（仕業検査）業務を習志野電車区から引き継ぎました。
2007年（平成19年）3月18日: 津田沼車掌区が廃止されたことに伴い、中央・総武線各駅停車の乗務行路が習志野運輸区へ移管されました。一方で、総武快速線の乗務行路は千葉車掌区へと移管されました。
2024年（令和6年）3月16日: 津田沼営業統括センターと統合される形で津田沼統括センターが発足し、習志野運輸区は組織としては廃止されました。現在は同統括センター内の乗務部門として機能しています。

習志野電車区について

習志野電車区は、習志野運輸区の前身の一つで、千葉県船橋市の津田沼駅付近にあったJR東日本の車両基地です。組織変更前は津田沼電車区という名称でした。

この車両基地は、主に中央・総武緩行線で使用される電車の検査や留置を担当していました。しかし、2003年12月の車両配置の見直しにより、所属車両は全て三鷹電車区へ移管され、車両基地としての組織は廃止となりました。以降、敷地は主に電車の留置線（電留線）として利用されています。

配置車両

かつて習志野電車区または津田沼電車区に配置されていた車両や、一時的に留置された車両は多岐にわたります。

車体に記される略号

習志野電車区に配置された車両の車体には、「千ラシ」という略号が記されていました。これは、所属支社である「千葉」を示す「千」と、「習志野」を示す「ラシ」を組み合わせたものです。津田沼電車区と称していた時代には、「千ツヌ」（千葉鉄道管理局と津田沼）が使用されていました。

配置統合時点（2003年12月）の車両

習志野電車区が廃止され、車両配置が三鷹電車区に集約される直前に所属していた主な車両は以下の通りです。

209系: 500番台の10両編成が15本配置されていました。
E231系: 0番台の10両編成が21本配置されていました。

これらの車両は、統合後に全て三鷹電車区へ転属し、引き続き中央・総武緩行線などで活躍しました。

配置統合時点で所属は異なるが入庫または疎開した車両

習志野電車区の敷地は、所属車両以外にも一時的に他の車両が留置される場所としても利用されました。

高崎線所属211系: A27編成、A28編成、A30編成などが、廃車となる前に疎開（一時的な留置）のために当区へ入庫したことがあります。これらの車両の一部は、公開イベントで乗車体験などに使用されました。
京葉線所属201系、205系: 京葉線で活躍した車両の一部が、一時的に当区へ入庫した記録があります（ケヨ51編成、K1編成、ケヨ8編成など）。
幕張車両センター所属E257系: 特急形車両であるE257系の一部編成（NB15編成、NB17編成）も、一時的な留置に利用されました。
中野電車区所属301系: 営団地下鉄東西線への乗り入れにも使用された301系K4編成は、廃車が間近となった時期に保留扱いとなり、疎開のために当区に留置されていました。

統合以前の配置車両

習志野電車区や津田沼電車区には、古い時代の車両も多数配置されていました。

72系電車: 1969年に中央・総武緩行線からは撤退しましたが、その後も1977年頃まで、総武本線千葉以東や房総各線などのローカル線区向けに引き続き配置されていました。
101系電車: 1988年まで配置されていましたが、山手線など他線区から転入してきた103系電車に置き換えが進み、廃車となりました。一部の車両は秩父鉄道に譲渡され、第二の人生を送りました。
103系電車: 1979年から2001年まで、比較的長い期間配置されていました。他線区からの転入車が多くを占めていました。101系の置き換えが完了し、後継の209系が投入されるまでの間、中央・総武緩行線では三鷹電車区が201系や205系を、習志野電車区が103系を主に担当するという棲み分けがありました。また、1986年の京葉線開業から1990年に京葉電車区が開設されるまでの間、京葉線用の青色の103系も配置されていましたが、対応工事を施した中央・総武緩行線用の編成が代走運用に就くこともありました。
113系電車: 1969年の房総西線電化に合わせて、42両が新製配置されました。後に幕張電車区が開設された後も、総武本線千葉以東や房総各線向けに引き続き配置されていましたが、1986年に全車が幕張電車区へ転属しました。
165系電車: 1969年の房総西線電化時に製造された最終増備車44両が配置されました。しかし、1972年の総武快速線東京地下駅乗り入れと外房線電化に伴うダイヤ改正で開設された幕張電車区へ全車が転属しました。
183系電車: 外房線電化完成による特急列車運行開始に際し、早期に落成した房総特急用の183系電車の一部が津田沼電車区に新製配置され、乗務員の訓練などに使用されました。その後、幕張電車区の開設に伴い同区へ転属しています。

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