耕洋丸 (4代)

耕洋丸（こうようまる）

耕洋丸は、水産大学校によって保有され、技術教育と実習を行うための練習船です。この船は2007年に竣工された4代目であり、先代の3代目から代替される形で建造されました。建設は三菱重工業の下関造船所で行われ、2007年6月29日に完成しました。その後、同年7月25日から8月12日の間に行われた第1次航海では、下関港を始め、高松、東京、神戸の各地で一般公開され、多くの人々にその姿を見てもらうことができました。

支援活動

特に注目すべきは、2011年の第25次航海において実施された東日本大震災被災地への支援活動です。この航海では、地域の自治体や漁協などから物資と義捐金を集め、それらを船に搭載して被災地へ向かいました。出発予定日を前倒ししての出航を行い、宮古港に入港後、宮古市の住民や学校に救援物資を運びました。さらに、釜石港での物資の配布に従事し、地元の漁協への支援を行うとともに、入浴や食事の支援も提供しました。特にこの活動には学生も参加し、地域支援に貢献したことが運航の重要な一環となりました。

設計と技術

耕洋丸は、最先端の航海及び漁業機器が搭載されています。主要な機器には古野電気の製品が使用されており、特に自動定点保持装置を使ったセルフトロール＆ナビゲーションシステム（STNS）という先進的な技術を採用しています。このシステムは、スキャニングソナーで魚群を探知し、その情報を元に漁網の位置を自動制御することで、自動的に魚群を追尾し網を仕掛けることができる機能を持っています。

搭載機器の種類

耕洋丸には、以下のような多様な機器が搭載されています：

• - トロール設備
• - 観測用ウインチ
• - ラインホーラー
• - 超音波海底地形探査装置
• - CTDオクトパスシステム
• - 超音波式多層流速計（ADCP）
• - 潮流計
• - サーモサリノグラフ
• - 波高計
• - 採泥器
• - 小型水深水温計
• - 船内LANシステム

これらの設備は、実習生の学びを深め、将来の水産業における技術者の育成に大いに寄与しています。

源泉と外部リンク

多くの情報は鷲尾圭司の研究によるものであり、「水産大学校練習船『耕洋丸』による東日本大震災被災地への支援航海」というタイトルの論文（日本水産学会誌第77巻第5号）に詳しく述べられています。

さらに、公式サイトやMarineTraffic.comでの船舶の情報や現在位置の確認も可能です。これらのリソースは、耕洋丸に関する詳しい情報を提供しています。

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