聖なる海とサンシャイン
聖なる海とサンシャインの魅力
「聖なる海とサンシャイン」は、THE YELLOW MONKEYの20枚目のシングルとして2000年1月26日にリリースされました。このシングルは、前作と同様に朝本浩文とのコラボレーションによって生まれた作品であり、バンドの歴史においても特異な位置を占めています。特筆すべきは、カップリングとして収録された4曲のシングルバージョン違いがあり、これらは全てアルバム未収録という点です。
制作の始まりは1999年3月の「PUNCH DRUNKARD TOUR 1998/99」の締めくくり後に行われ、吉井和哉は当初、この曲が「天国旅行」のような印象を持つ楽曲になることを期待していました。彼はプログレッシブでありながらもコンパクトな構成を求めていたと述べています。興味深いことに、制作過程での長尺のイントロ案は、朝本の意見を受けて大胆に短縮され、結果として新鮮さを保ちながら構築されました。吉井はこの変化についても触れ、「朝本さんが来て、イエローモンキーに必ずある大イントロがなくなったことで、新鮮だった」と語っています。
元々は「SO YOUNG」と同様の復帰シングルになるはずでしたが、スタッフの意見から、よりアップテンポの『バラ色の日々』が先にリリースされました。それにも関わらず、吉井はこの「聖なる海とサンシャイン」に対する特別な愛着を持っており、「どこに行っても口ずさんでいた」と述べていることからも、その情熱が読み取れます。制作過程は非常にチャレンジングで、吉井は「こんなに困った曲はなかった」と悩みの深さを語り、結果的に「この曲には完成形がなかったと思う」と悔いを残したとも言われています。
アルバム『8』にも収録され、そのバージョンは新たに再アレンジされました。吉井はアルバム制作の後半に、作品としてどのようにアルバムバージョンに仕上げるかが見えたと振り返り、曲順がアルバムタイトルと同じ8曲目であることに深い意味を感じていました。通して聴くときに「聖なる海とサンシャイン」で感じる瞬間が特に刺激的であったと述べています。これは曲に色気と怖さが同居している様子を表現しており、まさに音楽の魅力を伝える部分です。
また、ミュージックビデオは、演奏シーンが一切なく、短編映画のような印象を与える独特な作品であり、西田尚美が出演している点も注目されます。監督の高橋栄樹は自身のMVの到達点としてこの作品を挙げ、印象的なシーンがギターやドラムを象徴的に表現している点が特徴的です。このような独創性が、この曲をさらに魅力的なものにしています。
収録曲
- - 聖なる海とサンシャイン
テレビ朝日系『おネプ!』のエンディングテーマ、および映画『現実の続き 夢の終わり』の主題歌。
- - 聖なる海とサンシャイン -Suspend Minnow Version-
吉井のミックス担当。アルバム『8』に収録されている本バージョンのボーカルテイクが流用されています。
- - 聖なる海とサンシャイン -Sunshine-
アルバム未収録。
- - 聖なる海とサンシャイン -Sunnyside of winter mix-
アルバム未収録。
- - 聖なる海とサンシャイン -jaz raser drive mix-
アルバム未収録。
このように「聖なる海とサンシャイン」は、深い制作過程と独特な音楽性、そして視覚的な表現手法を組み合わせた、THE YELLOW MONKEYの代表的な作品と言えるでしょう。
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