聖なる酔っぱらいの伝説

映画『聖なる酔っぱらいの伝説』について

『聖なる酔っぱらいの伝説』（原題：La leggenda del santo bevitore）は、1988年に製作されたイタリアとフランスの合作映画です。エルマンノ・オルミが監督を務め、ヨーゼフ・ロートの同名小説を映画化した作品で、パリを舞台に、一人のホームレスの男が経験する奇妙な出来事を描いています。

あらすじ

セーヌ川の橋の下でホームレス生活を送るアンドレアスは、ある日、不思議な紳士から200フランを渡されます。紳士は、そのお金を翌週の日曜日の朝、聖テレーズ像のある教会でミサ後に返してほしいとアンドレアスに告げます。

それからというもの、アンドレアスの身には不思議な出来事が次々と起こります。仕事が見つかり、新しい財布にはお金が入っており、若いダンサーのギャビーとのつかの間の情事を楽しみます。約束の日曜日、アンドレアスは教会でカロリーヌという女性と再会します。実は彼女は、アンドレアスが過去に誤って殺害してしまった友人の妻でした。アンドレアスはカロリーヌとの再会に喜び、紳士との約束を破ってしまいます。

翌週の日曜日、アンドレアスは再び教会を訪れます。そこで今度は幼馴染のヴォイテクと再会し、またしても約束をほごにしてしまいます。さらにその次の日曜日、教会の前のカフェでヴォイテクと待ち合わせをしていたアンドレアスは、前夜の夢に現れた聖テレーズと瓜二つの少女を目撃します。その直後、アンドレアスは意識を失ってしまいます。

キャスト

アンドレアス：ルトガー・ハウアー
紳士：アンソニー・クエイル
ギャビー：サンドリーヌ・デュマ
ヴォイテク：ドミニク・ピノン
カロリーヌ：ソフィー・セガレン
ジャン＝モーリス・シャネ
セシール・パオリ
ジョゼフ・デ・メディナ
フランコ・アルディギエーリ

受賞

この映画は、数々の賞を受賞しています。

第45回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
作品賞
監督賞（エルマンノ・オルミ）
撮影賞（ダンテ・スピノッティ）
編集賞（エルマンノ・オルミ）
ナストロ・ダルジェント賞
最優秀作品監督賞（エルマンノ・オルミ）
脚本賞（エルマンノ・オルミ、トゥリオ・ケツィク）

作品の魅力

『聖なる酔っぱらいの伝説』は、一人の男の奇妙な体験を通して、人生の不思議さや人間の弱さ、そして救済の可能性を描いた作品です。監督のエルマンノ・オルミは、美しい映像と詩的な演出で、観る者を魅了します。ルトガー・ハウアーの繊細な演技も、作品に深みを与えています。この映画は、観る人によってさまざまな解釈が可能な、非常に魅力的な作品と言えるでしょう。

外部リンク

聖なる酔っぱらいの伝説 - allcinema
聖なる酔っぱらいの伝説 - KINENOTE
La leggenda del santo bevitore - オールムービー（英語）
La leggenda del santo bevitore - IMDb（英語）

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