聖アンデレ教会 (横浜)

横浜聖アンデレ教会は、日本聖公会横浜教区の主教座聖堂として、横浜の地に深い歴史を刻んでいます。教会の起源は1863年に遡り、横浜居留地における聖公会信徒の集まりから始まりました。この教会は、単なる礼拝の場にとどまらず、地域社会における信仰と文化の中心としての重要な役割を担ってきました。

横浜教区の形成

横浜教区は、神奈川県、山梨県、千葉県、静岡県の聖公会教会によって構成されています。その歴史は、1859年の横浜港開港に伴い、居留地に住む聖公会信徒のために発足した横浜クライスト・チャーチ（英語集会）に始まります。当初は英国領事館で礼拝が行われていましたが、後に教会堂の建設とチャプレン（牧師）の必要性が高まり、イギリス政府からの補助金を得て、初代領事館チャプレンとしてM.B.ベイリーが任命されました。

ベイリー司祭の宣教活動は1863年に横浜クライスト・チャーチ初代聖堂の建設として実を結び、これが後の横浜山手聖公会へと繋がります。また、相模農村伝道や千葉県、静岡県、山梨県への宣教も積極的に行われ、それぞれの地域に教会が設立されました。

1888年にはエドワード・ビカステス初代主教が着座し、伝道活動はさらに活発化しました。教区は、南東京地方部、南東京教区を経て、1963年に横浜教区と改称されました。太平洋戦争中には日本聖公会が消滅する経験をしましたが、戦後に復活し、現在では神奈川・千葉・山梨・静岡の4県にまたがる33教会6伝道所、29人の教役者、5,656人の信徒を擁しています。

横浜聖アンデレ教会の歩み

横浜山手聖公会とは別に、1885年には横浜居留地に「横浜聖安得烈教会」が組織されました。当初は借家での活動でしたが、1887年頃からアレクサンダー・クロフト・ショー司祭の管理下に入り、定期的な礼拝が行われるようになりました。その後、寿町、日出町、花咲町と場所を移しながら、関東大震災や横浜大空襲による焼失を経験しつつも、その都度再建を果たしました。

現在の聖堂は1956年に竣工し、1957年に聖別されました。1986年には、アメリカ・ロードアイランド州のプロビデンスにあったクライストチャーチのパイプオルガンが移設され、2015年には創立130周年を記念して聖堂屋根や内装の改修が行われました。

この教会は、アレクサンダー・クロフト・ショー司祭や、日本アルプス登山を広めたウォルター・ウェストン司祭など、著名な牧師を輩出しています。現在の牧師は、渡部明央です。

教会の現在

横浜聖アンデレ教会は、その長い歴史の中で、数々の試練を乗り越えてきました。現在では、地域社会に開かれた教会として、多くの人々に信仰の場を提供しています。教会の所在地は〒221-0852 横浜市神奈川区三ツ沢下町14-57です。

参考

関連項目: 聖公会、アングリカン・コミュニオン、日本聖公会
外部リンク:
横浜聖アンデレ教会 ホームページ
日本聖公会 横浜教区 ホームページ

この教会は、その歴史的背景と、現代においても人々の信仰生活を支える重要な役割を担っています。地域社会に根ざし、信徒たちと共に歩む横浜聖アンデレ教会は、これからも横浜の地でその輝きを放ち続けるでしょう。

もう一度検索