ウォルター・ウェストン

ウォルター・ウェストン：日本アルプスの魅力を世界に伝えた登山家

ウォルター・ウェストン（Walter Weston, 1861年12月25日 - 1940年3月27日）は、イギリス出身の宣教師であり、同時に登山家としても名を馳せました。彼は英国山岳会、ロンドン日本協会、王立地理学会の会員であり、日本山岳会名誉会員でもありました。ウェストンは日本に三度長期滞在し、日本の山々を深く愛し、その魅力を世界に広く紹介しました。

生い立ちと日本への渡航

1861年、イギリスのダービー市に生まれたウェストンは、ケンブリッジ大学で学び、聖職者としての道も歩みました。1888年、イングランド国教会伝道協会の宣教師として初めて日本に渡り、神戸に滞在しました。宣教師としての活動と並行して、ウェストンは日本での登山活動を始め、富士山、阿蘇山、霧島山など、日本各地の山に登りました。

日本アルプスとの出会い

1891年、ウェストンは軽井沢から浅間山を経て、松本から槍ヶ岳に初登頂を果たしました。この登山をきっかけに、彼は飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈など、日本の山々を精力的に巡りました。特に、日本アルプスへの深い愛情を持ち、その美しさと魅力を世界に伝えることに尽力しました。1893年には前穂高岳に登頂し、案内役を務めた地元猟師の上條嘉門次との友情は、今日まで語り継がれています。

著書と業績

1896年、ウェストンは自身の山旅の記録と感動を『MOUNTAINEERING AND EXPLORATION IN THE JAPANESE ALPS』（日本アルプスの登山と探検）として出版しました。この著書は、日本の山岳風景や当時の風俗を世界に紹介する上で大きな役割を果たしました。また、彼は日本初のロッククライミングを鳳凰山で行うなど、登山技術の発展にも貢献しました。1910年には日本山岳会の名誉会員となり、その功績が認められました。

その後の活動と死

ウェストンはその後も日本を訪れ、登山活動を続けました。1913年には、妻のエミリー・フランシスが女性として初めて槍ヶ岳に登頂しました。また、王立地理学会から日本の未踏の高地を踏査したことを評価され、バック・グラント賞を受賞しました。1940年、ウェストンは生涯を閉じましたが、彼の残した功績は今もなお、多くの人々に影響を与えています。

ウェストンを記念する祭り

ウェストンの死後、日本各地では彼を記念する祭りやイベントが開催されています。上高地ウェストン祭、青森ウェストン祭、海のウェストン祭、ミセス・ウェストン祭、恵那山ウェストン祭、宮崎ウェストン祭など、彼の功績を称える祭りが各地で催され、多くの人々に親しまれています。

ウェストンのレリーフ

日本各地にはウェストンのレリーフや記念碑が設置されています。上高地、天竜峡、三秀台、親不知コミュニティーロード、広河原、恵那山ウェストン公園など、彼の足跡を辿ることができる場所が数多く存在します。

ウェストンの著書一覧

ウェストンは、数多くの著書を遺しており、その一部を紹介します。

『Mountaineering and Exploration in the Japanese Alps』
『日本アルプスの登山と探検』
『The Playground of the Far East』
『極東の遊歩場』
『日本アルプス再訪』
『A WAYFARER IN UNFAMILIAR JAPAN』
『ウェストンの明治見聞記　知られざる日本を旅して』
『ウォルター・ウェストン未刊行著作集』
『日本アルプス登攀日記』
『宣教師ウェストンの観た日本』
『KAMIKOUCHI ONSENBA CLIMBER'S BOOK』
『ウェストンが残したクライマーズ・ブック　外国人たちの日本アルプス登山手記』
* 『Collected Travel Writings of Walter Weston』

ウェストンは、日本アルプスの魅力を世界に広め、多くの人々に登山の楽しさを教えました。彼の功績は、今日まで多くの人々に愛され、語り継がれています。

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