聖ポルフィリウス教会

聖ポルフィリウス教会

聖ポルフィリウス教会（アラビア語: كنيسة القديس برفيريوس）は、パレスチナのガザ市に位置する歴史あるギリシャ正教の教会です。この教会はエルサレム総主教庁に属し、市内では最も古く、現在も利用されています。また、世界で3番目に古い教会とも言われています。教会は5世紀の聖ポルフィリウスにちなんで名付けられており、ザイトゥン地区にあり、古い街並みの中にその姿を残しています。

歴史的背景

聖ポルフィリウス教会の起源は425年にまで遡ります。この地にはその年に教会が建立されましたが、現在の建物は1150年代から1160年代にかけて十字軍によって新たに建設されました。この際、教会は聖ポルフィリウスに献堂されました。記録によると、15世紀には聖母マリアにも献堂が行われていたとのことです。1856年には改築が行われ、十字軍時代のコーニスや台座などの歴史的な構造物が一部そのまま残されていますが、他の部分は後に追加されたものです。

戦争の影響

近年、聖ポルフィリウス教会は紛争の影響を大きく受けています。2014年には、約2000人のパレスチナ人がイスラエルの爆撃を避けるためにこの教会に避難しました。家族は教会内の廊下や部屋に寝泊まりし、食事や医療ケアも提供されました。また、2023年にも同様に教会が避難所として利用されました。

2023年10月19日、イスラエル軍による空爆が猖獗を極めました。少なくとも400から500人のパレスチナ人が避難していた敷地の近くに、イスラエル軍のミサイルが4発発射されました。この攻撃は、民間人に避難所を提供している2つのホールを直撃し、少なくとも1棟の建物が崩壊したことが教会の関係者によって確認されています。犠牲となったパレスチナ人は16人から18人とされ、他にも瓦礫の下で行方不明となっている人々がいます。イスラエル軍は、攻撃の対象が近くにあるハマースの指令部であったと主張していますが、事態は依然として進行中です。

建築様式

聖ポルフィリウス教会は、長方形型で 半ドームの屋根を持つ構造をしています。南側は地面から1.8メートル、高さが北端では3メートル低い位置にあるため、現在の建物は以前のものの上に建てられたことがわかります。この教会は、2つのグロイン・ヴォールトベイから成る単一の通路と、半円形の突出した後陣を持ち、その前には樽型ヴォールトの司祭館があります。内部は、後陣を含めて全長22.9メートル、幅8.9メートルの広さを誇ります。かつての洗礼者聖ヨハネ大聖堂（現在のガザの大モスク）との建築的な類似性も見られます。

西側の入り口には、3本の大理石の柱が支えるポルチコがあり、2つの尖ったアーチが特徴的です。大理石の台座は、十字軍時代に建設されたもので、教会はファサードからの出入口の他に、モダンなギャラリーに面した横のドアからも入ることができます。壁は水平の大理石と花崗岩の柱とピラスターで支えられており、古き良き時代の面影を今に伝えています。

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