聖徳太子流

聖徳太子流（しょうとくたいしりゅう）

聖徳太子流は、日本の伝統的な軍学と武術の流派であり、主に望月定朝によって開かれました。この流派は、軍法、剣術、薙刀術など多岐にわたる武道を伝承しており、時代を超えて広まっています。通称「太子流」としても知られ、特に薙刀術は「静流」との名前でも親しまれています。

流派の起源

聖徳太子流の起源は、清和天皇の第四皇子である貞元親王の子孫である望月定朝の夢にさかのぼります。彼は聖徳太子から軍事の要諦を学び、それを基に新しい流派を創設したと言われています。その後、定朝は武田氏に仕官し、数々の軍功を上げましたが、長篠の戦いで命を落としました。

初めは軍法のみが伝えられていましたが、聖徳太子から鬼一法眼、源義経を経て楠木正成へと、軍事の知識が中継されていく過程があると言われています。また、山鹿流や甲州流の技術も影響を与えたとされます。

軍学の伝承

聖徳太子流の軍法は、主に会津藩において継承されてきました。望月安光は、望月定朝の子孫として、軍法の teachingを続け、さらにその子である望月安勝は山崎闇斎に学ぶなどしてさらなる発展を遂げました。

剣術の発展

望月安光の息子である安勝が、安光流剣術と故・太子流兵法を融合し「太子伝安光流」を設立しました。その後、中林尚堅がこの流派を受け継ぎ、元禄2年（1689年）に聖徳太子流剣術を再興しました。中林派と浦野派に分かれた流派は、文化8年（1811年）に丸山胤征によって再統合されました。

会津藩では、聖徳太子流剣術は他の流派と共に広まり、特に藩校の日新館で広く採用されることとなりました。下級藩士たちの間でも人気を博し、幕末には白虎隊の隊士たちがこの剣術を学ぶ姿が見受けられました。また、尾張藩にもこの流派が伝わっています。

明治28年（1895年）の武徳祭大演武会では、吉田勝見が聖徳太子流の代表としてその優れた技をご披露し、高い評価を得ました。彼は長野県出身とされ、幕末には京都で道場を開いていた吉田某と同一人物であるとの見方もあります。

薙刀術の広がり

聖徳太子流の薙刀術は、特に会津藩や仙台藩において広く教えられていました。仙台藩では、日下一旨流の槍術とともに習得されることが多く、同じく流派名の伝わり方によっては鈴鹿流とも称されていました。これは、流派名の語彙が変化したためです。

まとめ

聖徳太子流は、武士や剣士たちにとって大変重要な武道の一つであり、日本の伝統的な武術文化を支えています。技術や理念は代々受け継がれ、多くの武道愛好者に影響を与え続けています。

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