聚光院

聚光院の概要

聚光院（じゅこういん）は、京都市北区紫野大徳寺町にある臨済宗大徳寺派に属する寺院で、大本山の塔頭に位置します。この寺院は、三好長慶の法名に由来する名称を持ち、その本尊は釈迦如来です。聚光院は通常は一般に公開されておらず、その静かで神秘的な雰囲気を保っています。

歴史

聚光院の設立は、永禄8年（1565年）から始まります。この年、三好長慶の養子である義継が室町幕府第13代将軍足利義輝を攻め滅ぼした後、義継は翌年の永禄9年（1566年）に寺を創建しました。この寺は、養父の長慶の菩提を弔う目的で設けられました。さらに、千利休がこの寺の開山である笑嶺宗訢和尚に参禅したことから、利休の墓所もここに建立されており、その後、表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に関連する歴代の墓も存在しています。

寺院の境内

方丈

聚光院の本堂である方丈は、重要文化財に指定されており、1566年に三好義継によって建立されました。この建物は、桃山時代の方丈建築の代表例とされており、内部には国宝の障壁画が飾られています。これらの作品は狩野松栄とその息子・永徳によるものであり、障壁画のオリジナルは京都国立博物館に保管されています。現在、方丈にある障壁画は高精度の複製です。方丈内には、三好一族の位牌が安置されており、彼らの歴史を物語っています。

百積の庭

方丈の前に広がる「百積の庭」は国指定名勝として知られ、狩野永徳が下絵を描き、千利休が作庭したと言われています。この庭は苔庭で構成されており、庭石が直線的に配置されています。多くの石組みが特徴的で、美しい景観を提供します。

庫裏と書院

書院は2013年に建立され、千住博によって滝の襖絵が描かれています。この絵は、見る者を惹きつける美しい作品です。

茶室

聚光院には重要文化財に指定されている二つの茶室があります。一つは「閑隠席」で、これは表千家7代・如心斎によって1741年に設けられたものです。もう一つの「桝床席」は、同じ建物内にあり、枡形の踏込床が特徴です。どちらの茶室も、茶道の歴史や美意識を感じさせる空間となっています。

三好長慶と千利休の墓

聚光院には、三好長慶の墓と、千利休の墓が共に存在しています。千利休の墓は、三千家の歴代の墓所の中心に位置し、高さ約2メートルの宝塔があります。これは、もともと船岡山に存在していた供養塔で、利休は生前この塔を好み、没後に自身の墓標としたと言われています。

文化財の数々

聚光院には、方丈の障壁画や花鳥図、琴棋書画図など数多くの文化財が存在しています。これらは狩野永徳の作品であり、寺院の文化的価値を高めています。また、これらの文化財は、保存のため京都国立博物館に寄託されています。

アクセス

聚光院へのアクセスは、JR京都駅から京都市バスを利用し「大徳寺前」で下車、その後徒歩で約10分の距離です。静かな環境の中で、歴史と文化に触れられる貴重な場所として、訪れる人々に深い感動を与えています。

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