聯合艦隊司令長官 山本五十六

映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』

2011年に公開された日本[[映画]]『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-』は、山本五十六を主演に据え、彼の生涯と太平洋戦争の背景に迫る作品です。この映画は、半藤一利による監修のもと、戦争の実態や軍人としての葛藤を描写しています。監督は成島出が務め、主演には役所広司がキャスティングされました。映画は全国308スクリーンで公開され、初週末の興行収入は1億5078万円を超え、観客動員数は12万4972人に達しました。

概要

この映画は、武力に依存するのではなく、外交を重んじる山本五十六の姿勢を際立たせます。彼は中國との地域戦闘が続く中、三国同盟への反対を貫こうと努力するが、次第に自身が連合艦隊司令長官に任命され、運命が大きく変わってゆく様子が描かれています。特に、山本が好んだ水饅頭や汁粉といったエピソードが、彼の人間味を強調し、視聴者に共感を与える工夫が施されています。

あらすじ

物語は1939年から始まり、山本五十六は日本が戦争の道を進むことに反対し続けます。当初、彼は「不戦艦隊」という理念のもと、戦争を回避しようと奮闘していました。しかし、彼の意志とは裏腹に、日本は次第に戦争に巻き込まれてゆくことになります。真珠湾攻撃を指揮することになった山本は、早期の講和を目指すものの、日本海軍の上層部は長期戦を覚悟していたため、その意志は挫かれてしまいます。

日本軍の快進撃が続く中で、山本の講和提案は無視され続け、次第に孤立していく姿が印象深いです。1942年のミッドウェー海戦では、彼のミスによって日本軍は大きな敗北を喫します。惨敗にも関わらず、マスメディアは勝利を誇張して報じ、国民の戦意を高める姿勢には皮肉さを感じざるを得ません。

最後には、山本が戦死するまでの後半生が描かれ、彼にとっての戦争の悲劇と、強い武将としての苦悩が根底に流れています。彼の最後の決断は、勝利による和平を願うものだったにもかかわらず、日本は無条件降伏へと向かうこととなります。

出演者と評価

本作には、坂東三津五郎、柄本明、柳葉敏郎等が共演しており、それぞれの役柄が物語に奥行きを与えています。特に役所広司の山本五十六の演技は高く評価され、「開戦に反対した悲劇の武将」としての内面的葛藤を見事に表現しています。

映画評論家の西村雄一郎は本作において、俳優のパフォーマンスと特撮シーンの不一致が観客に分断感を与えているとの意見を述べています。しかし、山本の立場や思想、彼が直面した時代の圧力について深く掘り下げた点では新鮮さがあり、観る人に考えさせる内容になっています。

まとめ

『聯合艦隊司令長官 山本五十六』は、時代の流れに翻弄されながらも信念を貫こうとした男の物語を描いた作品です。戦争の実相に迫りつつ、その中での人間ドラマが丁寧に描かれており、観客に感動を与える力を持っています。

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