聯華電子

聯華電子（UMC）とは

聯華電子股份有限公司（United Microelectronics Corporation、UMC）は、台湾に本社を置く半導体受託製造（ファウンドリ）企業です。1980年の設立以来、半導体製造業界において重要な役割を果たしており、2023年時点での世界シェアは第4位となっています。

事業概要

UMCは、新竹市（台湾）の新竹科学工業園区、台南地区、そしてシンガポールに、200mmおよび300mmウェーハに対応した最先端の半導体製造工場を所有しています。これらの工場では、多様な顧客のニーズに応じた高品質な半導体製品を製造しています。また、かつてはSiS（Silicon Integrated Systems）を傘下に収めていたこともあります。

日本との関わり

UMCは日本市場にも深く関わっており、かつては日本唯一のファウンドリであったユー・エム・シー・ジャパン(UMCJ)（旧：NMBセミコンダクター→日鉄セミコンダクター→日本ファウンドリー）を傘下に持っていました。しかし、2012年8月12日にUMCJは事業停止および解散・清算の手続きに入りました。その後、2014年には富士通セミコンダクターの子会社である三重富士通セミコンダクターに資本参加し、2019年10月には同社を完全子会社化し、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社として再スタートを切っています。

米国司法省との訴訟

2018年11月、UMCは中国の国有企業と共に、マイクロン・テクノロジのDRAM技術を盗んだとしてアメリカ合衆国司法省に起訴されました。この訴訟は、半導体業界における技術競争の激しさを物語る出来事でした。その後、2021年11月にUMCはマイクロンに和解金を支払うことで合意し、この問題は解決しました（和解金額は非公開）。

創業者による防衛計画

2022年9月1日、UMCの創業者である曹興誠氏は、中国による台湾侵攻を想定し、私財10億台湾ドル（約45億円）を投じて、300万人以上の「民間の勇士」を育成する計画を発表しました。この計画では、台湾軍と連携して活動できる「黒熊勇士」300万人の訓練に6億台湾ドル（約27億円）、「狙撃手」30万人の育成に4億台湾ドル（約18億円）を充てるとしています。防弾チョッキを着用して記者会見に臨んだ曹氏は、中国の武力行使を強く非難し、「中国共産党の本質はフーリガンだ」と批判しました。また、「台湾をもう一つの香港にしてはならない」と訴え、台湾の自由と民主主義を守る強い意志を示しました。曹氏は、かつて放棄した台湾籍を再び取得する意向を表明しており、祖国で死にたいと述べています。この計画は、台湾の防衛意識を高める上で重要な役割を果たしています。

関連情報

ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン: UMCの日本における子会社。
工業技術研究院 (台湾): 台湾の産業技術研究機関。
* 公式ウェブサイト: 公式ウェブサイト

UMCは、半導体製造技術の発展に貢献するだけでなく、社会的な問題にも積極的に関与する企業として、その動向が注目されています。

もう一度検索