職員失職特例条例

職員失職特例条例

職員失職特例条例（しょくいんしっしょくとくれいじょうれい）とは、地方公務員の一般職に関する失職の特例を規定する条例です。条文の内容は各自治体によって異なるため、一律の基準が存在するわけではありません。具体的には、職員失職特例条例が単体として存在する場合と、職員分限条例の中に含まれる場合があり、自治体の判断によって内容が異なるため、条例の複雑さが見受けられます。

法律背景

地方公務員法第28条第4項及び第16条第1号においては、禁錮以上の有罪判決が確定した地方公務員は、自動的に失職します。この際、執行猶予の有無は関係なく失職が適用されるため、厳格な判断が求められます。しかし、第28条第4項には「条例で定める場合を除くほか」という前提があります。このため、各自治体が条例を制定することにより、特定の条件下での失職を免れる措置を取ることが可能です。また、首長など特別職に関しては、この法律の範疇から外れるため、失職の特例を設けることができません。

失職特例の適用条件

多くの地方自治体では、執行猶予付きの自由刑が確定した場合も、情状に基づいて失職にしないことを認める条例を定めています。たとえば、交通事故が業務上の過失として発生した場合や、執行猶予付きの禁錮刑においても、職員が所属する自治体が裁量を持つことが一般的です。ただし、過失以外の刑事事件や執行猶予付きの懲役刑が確定した場合でも特例を認める自治体も存在します。重要なポイントは、執行猶予が取り消された際には、即座に失職が適用されるということです。

自治省の見解

日本の自治省の公務員課は、職員失職特例条例に関して、「一般的には適切ではない」との見解を示しています。理由としては、公務員に対する禁錮以上の判決は、裁判所が判決を下す際に失職を考慮した上で決定されるためです。

適用例と事例

この条例の適用の具体例として、いくつかのケースがあります。たとえば、2001年に職員が公務中に過失で事故を起こし禁錮刑が確定した際、職員失職特例条例が適用され、停職6ヶ月の懲戒処分が下されました。このように、条例が適用された具体的な案例を通じて、各自治体の判断の柔軟さがうかがえます。

また、過去の失職関連の事件においては、職員とその家族からの嘆願書が提出される事例も多く見られます。たとえば、自動車事故を引き起こした職員が「反省している」との理由で自治体が特例を適用したり、遺族が失職を望まないとする意見が影響を与えたりすることがあります。

特異なケース

時には特別な状況で特例が適用された事例も存在します。例えば、地方議会で職員の失職に関する条項の改正が行われ、特定の事件に関して特例が広がる場合などがあるのです。しかし、このような場合には住民の意見を考慮する必要があり、反発が生じることもあります。

このように、職員失職特例条例は自治体が自身の状況に応じて様々な条例を設け、柔軟に対応することを可能にするものです。失職や分限に関する取り扱いについては、引き続き議論が必要です。

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