職業能力開発局

職業能力開発局について

職業能力開発局は、かつて厚生労働省に設置されていた内部部局の一つです。この局は、国民の職業能力の開発と向上を目的として、公共職業訓練の実施や技能検定の制度運営など、多岐にわたる業務を担っていました。

発足と変遷

職業能力開発局の歴史は、戦後の労働行政の変遷とともにあります。以下にその主な流れをまとめました。

1947年（昭和22年）9月: 労働省の新設に伴い、職業安定局に職業補導課が設置されました。これが職業訓練に関する取り組みの始まりです。
1949年（昭和24年）: 労働基準局に技能課が設置され、技能に関する行政がスタートしました。
1956年（昭和31年）: 労働基準局の技能課と給与課が統合し、福利課となりました。
1958年（昭和33年）7月1日: 職業安定局の職業補導課と労働基準局の福利課の技能者養成関係の業務を引き継ぎ、職業安定局に職業訓練部が発足しました。
1959年（昭和34年）4月1日: 職業安定局職業訓練部に技能検定課が設置され、技能検定制度が本格的に始動しました。
1961年（昭和36年）7月1日: 職業安定局職業訓練部が独立し、職業訓練局が設置されました。これにより、職業訓練に関する行政が一層強化されました。
1984年（昭和59年）7月1日: 職業訓練局が職業能力開発局に改称されました。これにより、職業訓練だけでなく、より広範な職業能力開発を支援する体制へと移行しました。
2001年（平成13年）1月6日: 中央省庁再編により、厚生省と労働省が統合され、厚生労働省が発足。職業能力開発局は、厚生労働省の内部部局となりました。
2017年（平成29年）7月11日: 組織改正により、職業能力開発局は廃止され、人材開発統括官に改組されました。これにより、職業能力開発に関する行政は新たな体制へと移行しました。

所管業務

職業能力開発局は、主に以下の業務を所管していました。

公共職業訓練の実施: 公共職業訓練施設において、求職者や在職者に対し、職業に必要な知識や技能を習得させるための訓練を実施していました。
技能検定の実施: 労働者の技能を評価する技能検定制度を運営し、技能の向上を促進していました。
その他: 職業能力開発に関する調査、研究、国際協力など、幅広い活動を行っていました。

組織（廃止時点）

職業能力開発局は、廃止時点で以下の組織構成となっていました。

総務課
基盤整備室
能力開発課
育成支援課
実習併用職業訓練推進室
キャリア形成支援室
能力評価課
海外協力課
* 外国人研修推進室

関連事項

職業能力開発局が所管していた事業の中には、若者の職業能力開発を支援する「若者人間力強化プロジェクト」があります。これは、若年層の就労支援やキャリア形成を促進する取り組みの一環でした。

まとめ

職業能力開発局は、長年にわたり、日本の職業能力開発の中核を担ってきました。その歴史は、労働行政の変遷とともにあり、常に社会の変化に対応しながら、国民の職業能力向上に貢献してきました。人材開発統括官への改組後も、その精神は引き継がれ、新たな形で職業能力開発行政が展開されています。

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