職田法

職田法（しょくでんほう）

職田法は、1466年に朝鮮前期に施行された土地制度であり、国家財政の強化を目的として導入されました。これは、従来の科田法と呼ばれる制度とは対照的な内容を持っていました。科田法は、現職の官僚だけでなく、退職した官僚や亡き官吏の家族にも土地を支給していましたが、職田法の施行により、この土地の支給は現職官僚のみに限定され、さらに支給される土地そのものも減少することとなりました。

この制度は、官吏の経済力を抑制し、結果的に国家の財政を強化する狙いがありました。しかし、職田法が実施されると、退職後の両班階層の経済力が脆弱になることが懸念されました。そのため、彼らは耕作者からの収奪を行うようになりました。この状況を受けて、1407年には国家が直接耕作者から税金を徴収し、官僚に支給する「官収官給制」が導入されるに至りました。

さらに16世紀に入ると、職田の不足が顕在化し、1556年には土地の支給が完全に中断されました。これにより職田法は実質的に廃止され、以後は禄俸制、すなわち月給制が導入され、官僚の給与体系が大きく変貌を遂げました。

職田法の施行は、農業生産に対する支配構造や、官僚制度の変遷を反映しています。また、この制度によって、当時の社会経済構造における農民の立場は益々厳しくなり、両班と農民の間の経済的格差が拡大する結果を招きました。

結論として、職田法は朝鮮前期における土地制度の一つであり、官僚への土地の供給を制限することで国家財政の健全化を目指した改革でありましたが、実際にはその結果として社会の不均衡を助長する要因となった点が歴史的に重要です。

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