肝付久兼

肝付久兼（きもつき ひさかね）

肝付久兼は、江戸時代前期から中期にかけての薩摩藩士であり、喜入肝付氏の4代目当主として知られています。喜入肝付氏は、肝付氏12代当主・肝付兼忠の三男である兼光を祖とする分家にあたります。

生涯

寛永18年（1641年）、肝付兼屋の子として誕生しました。慶安3年（1650年）には、喜入の屋敷を訪れた藩主・島津光久の面前で元服を果たし、島津家久の外孫であったことから、光久より「久」の字を賜り、「久兼」と名乗るようになりました。

寛文7年（1667年）、久兼は大目付に任命され、藩政において重要な役職に就きます。さらに、寛文10年（1670年）には家老に昇進し、同年には末吉の地頭職も兼務しました。その後も、延宝8年（1680年）に谷山地頭職、天和2年（1682年）に出水地頭職と、各地の要職を歴任しました。

天和3年（1683年）には、藩主・島津綱貴に従い江戸に下向し、江戸城にて将軍・徳川綱吉に拝謁するという重要な任務をこなしました。貞享4年（1687年）にも、再び綱貴に従い将軍綱吉に拝謁しています。元禄8年（1695年）には、高岡地頭職に任命されました。このように、久兼は藩政において重要な役割を担い、藩主からの信任も厚かったことがうかがえます。

宝永4年（1707年）、久兼は病を理由に職を辞し、隠居生活に入ります。家督は子の兼柄に譲り、その生涯を終えることになります。宝永6年（1709年）2月8日、69歳でこの世を去りました。

参考文献

* 「喜入村郷土史」

肝付久兼は、薩摩藩の歴史において重要な役割を果たした人物であり、その生涯は、当時の武士の生き方や藩政のあり方を深く理解する上で貴重な情報を提供してくれます。

もう一度検索