肝付兼三

肝付兼三（きもつき かねひろ）

肝付兼三は、安土桃山時代に活躍した武将で、島津氏の家臣として知られています。大隅国加治木城主を務め、その生涯は激動の時代を反映しています。

喜入肝付氏の家督相続

天正18年（1590年）、当時の当主であった肝付兼寛が亡くなると、喜入肝付氏の家督は、伊集院忠棟の三男である兼三が継承することになりました。兼寛には弟の兼篤もいましたが、伊集院忠棟の強い意向により、兼三が養子として迎えられ、家督を継ぐこととなったのです。

父の死と兄の反乱

慶長4年（1599年）3月9日、兼三の人生は大きな転換点を迎えます。父である伊集院忠棟が、朝鮮から帰還した島津忠恒によって伏見で手討ちにされたのです。さらに、兄の忠真が日向国で反乱（庄内の乱）を起こすと、兼三は肝付家を離れる決断をしました。これにより、喜入肝付氏の家督は、兼三の代わりに肝付兼篤が継ぐこととなりました。

伊集院一族としての粛清

慶長7年（1602年）8月17日、兄・忠真が討たれたその日に、兼三は伊集院一族の一員として粛清されるという悲劇的な結末を迎えました。彼の生涯は、戦国時代の武将としての宿命と、一族の興亡に翻弄されたものであったと言えるでしょう。

兼三は、その短い生涯の中で、家督相続、父の死、兄の反乱、そして自身の粛清と、激動の時代を象徴するような出来事を経験しました。彼の物語は、戦国時代の武将たちの生き様と、その時代背景を今に伝える貴重な歴史の一部です。

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