肝付兼護

肝付兼護（きもつき かねもり）

肝付兼護は、戦国時代末期から安土桃山時代にかけての大名で、肝付氏の19代目当主です。

生涯

永禄4年（1561年）、大隅国の戦国大名である肝付兼続の末子として生まれました。肝付氏は、薩摩国を拠点とする島津氏と対立しつつも、大隅国で勢力を保っていました。しかし、兼護の兄である肝付兼亮は、天正2年（1574年）に島津氏に臣従しました。

この臣従は、伊東氏との友好関係を重視していた肝付氏内部の重臣たちの反発を招き、兼亮は追放されてしまいます。当時、兼護は他家に養子として出されていましたが、後継者として呼び戻され、肝付氏の当主として擁立されました。

しかし、このような経緯から、兼護には実質的な権力は無く、所領も高山城のみが安堵されるにとどまりました。さらに、天正8年（1580年）には所領を高山から薩摩国に移され、事実上、大名としての肝付氏は滅亡しました。以後、肝付氏は島津氏の一家臣として扱われることとなりました。

慶長5年（1600年）、関ヶ原の戦いでは、島津義弘に従い、西軍の一員として参戦しました。この戦いで、島津軍は敵中突破という決死の撤退戦を敢行し、兼護もその中で壮絶な戦死を遂げました。

兼護の死後、家督は嫡男の兼幸が継ぎました。兼護は、激動の時代に翻弄されながらも、一族のために最後まで戦い抜いた武将として、その名を歴史に刻んでいます。

肝付兼護の生涯は、戦国時代の地方豪族が、中央の権力によって運命を左右された一例として、後世に語り継がれています。

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