肥前竜王駅

肥前竜王駅

佐賀県杵島郡白石町大字坂田に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線の駅です。駅名は、かつてこの地にあった竜王村に由来しています。

歴史

当駅は、1930年（昭和5年）3月9日に鉄道省によって開業しました。既に存在した「竜王駅」との混同を避けるため、駅名には肥前国にちなんだ「肥前」の冠が付けられ、「肥前竜王」となりました。

長い間、旅客だけでなく貨物や手荷物の取り扱いも行っていましたが、1972年（昭和47年）2月10日にはこれらが廃止され、同時に駅は無人駅となりました。その後、1987年（昭和62年）4月1日には国鉄の分割民営化に伴い、九州旅客鉄道（JR九州）に引き継がれ、現在に至ります。

近年では、2015年（平成27年）5月22日に、当駅の1番線ホームに、本来異なる方向へ向かうはずの2本の列車が同時に進入するという事態が発生しました。幸いにも列車同士の衝突や脱線事故は発生せず、人身被害もありませんでしたが、この事態は国の定める重大インシデントに該当し、事故調査官が派遣されるなど、詳しく調査が行われました。

駅構造

地上部に位置し、相対式のホームが2面と線路が2線あります。互いのホームは跨線橋を使って行き来します。

ホームは一部車両（817系電車）の乗降をスムーズにするため、ホームの一部（2両分）が高くされています。このため、4両編成などの長い列車が停車した場合、かさ上げされていない部分ではホームと車両の間に大きな段差が生じる箇所があります。乗降の際は十分ご注意ください。

線路の配置は「1線スルー」と呼ばれる方式で、特に上り線側が通過線として機能します。
駅舎は隣の肥前白石駅と同じように、下り列車側のホームに設けられています。普通列車同士の行き違いがない場合、上下線どちらの列車も駅舎がある下り線側のホームに停車させるという、利用者の利便性を考慮した柔軟な運行が行われています。これにより、乗客は跨線橋を渡る必要がなくなります。

利用状況

駅の利用状況については、2016年度の1日平均乗車人員が154人でした。2017年度以降については、公表されていません。

駅周辺

駅の北東方面には、かつて有明町として栄えた地域の市街地が広がっており、その周囲は広大な水田が占めています。

主な周辺施設としては、白石町交流館ゆめてらす（旧有明町役場）、白石町立有明中学校、有明スカイパークふれあい郷などがあります。また、少し離れた北西約3.5kmの場所には稲佐神社があります。

駅の近くを通る国道207号は、長崎本線とほぼ並行しており、かつての主要街道である長崎街道も通っています。

バス路線

駅からのアクセスとして、バスを利用することも可能です。

祐徳バス「竜王駅前」バス停: 駅の東側およそ100メートルほどの距離にある国道207号沿いに位置しています。ここから佐賀駅バスセンター方面（江北駅前、牛津などを経由）や、鹿島バスセンター、祐徳神社方面へ向かうバスが運行されています。
白石町コミュニティタクシーいこカー牛間田横手線「竜王駅」停留所: こちらからは横手、白石町役場、白石駅前、いちい公園などへアクセスできます。

隣の駅

JR九州 長崎本線における隣接駅は以下の通りです。

肥前白石駅 - 肥前竜王駅 - 肥前鹿島駅

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