肥後小国駅

肥後小国駅：宮原線の終着駅とその歴史

熊本県阿蘇郡小国町に存在した肥後小国駅は、国鉄宮原線の終着駅として、地域の重要な交通拠点でした。宮原線という路線名は、駅の所在地である宮原大字に由来しています。

開業から廃線まで

1954年3月15日、宮原線宝泉寺駅から延伸開業した際に設置された肥後小国駅は、一般駅として多くの旅客や貨物を扱い、地域の経済活動に貢献しました。しかし、時代の流れとともに、1971年には貨物取り扱いを、1984年2月には荷物取り扱いを廃止。そして同年1[[2月1日]]、ついにその歴史に幕を閉じました。

駅の構造と周辺環境

廃止時点での肥後小国駅は、単式ホーム1面1線の有人駅でした。本線に加え、車両の機回しを行う機回し線と側線も備えていたことから、規模の大きさがうかがえます。駅周辺には小国町役場、熊本県立小国高等学校、小国町立小国中学校、小国町立宮原小学校などがあり、まさに町の心臓部と言える立地でした。また、人気の観光地である杖立温泉からも比較的近く、多くの観光客も利用していました。

廃線後の駅跡

廃線後、肥後小国駅の跡地は道の駅小国として生まれ変わりました。駅舎自体は、国道沿いの別の場所に再建され「薬味野菜の里小国」として利用されていますが、道の駅内には当時の列車写真が展示され、往時の様子を偲ぶことができます。さらに、道の駅周辺の歩道には枕木が敷かれ、構内にはレール、駅名標、転轍機、腕木式信号機といった貴重な遺構が保存されています。バス停留所も「小国ゆうステーション」という名称で、かつてこの場所に駅があったことを示しています。線路跡の一部は遊歩道として整備され、当時の面影を残しています。駅舎へと続く階段も以前は残っていましたが、現在は撤去されています。線路は南方の道路をアンダーパスする箇所まで続いており、その道路橋とアンダーパス直前までの線路跡の道路は現在も使用されています。

多くの人の記憶に残る駅

肥後小国駅は、単なる交通の拠点というだけでなく、地域の人々の生活や歴史に深く関わってきた場所でした。廃線から年月が経ちましたが、道の駅小国での保存活動や、周辺に残る遺構は、かつてこの場所に存在した活気と人々の記憶を今も伝えています。訪れる人々にとって、肥後小国駅は、鉄道の歴史を肌で感じることができる、貴重な場所と言えるでしょう。 駅周辺の開発や整備によって、新たな姿を見せながらも、この地に残された鉄道の遺産は、未来へと受け継がれていくことでしょう。

もう一度検索