背教

背教（はいきょう）

背教は、信仰や宗教の教義に対して反する行動や考えを意味します。この言葉はギリシャ語の「αποστασία」に由来し、英語では「Apostasy」と表記されます。背教は特にキリスト教において重要な概念であり、その解釈や理解は宗派によって異なることがあります。

背教の分類

キリスト教においては、背教者にはいくつかの分類があります。これらは、教えに対する裏切りの程度や内容に基づいており、以下のように分けられます。

• - 供犠者（sacrificati）: 偶像にいけにえを捧げた者。
• - 供香者（thurificati）: 偶像に対して焼香した者。
• - 供え者奉納所持者（libellatici）: 「リベッルス」という証明書を持っている人々で、背教を示したりしていると見なされます。

これらのカテゴリーは、背教の行為に対する教会の立場を明確にするためのもので、時には宗教的コミュニティ内での議論や緊張を引き起こすこともあります。

聖書における背教の言及

新約聖書のいくつかの箇所には背教に関する記述が見られます。例えば、使徒行伝の21:21や第二テサロニケの2:3では、背教の行為が示唆されています。これに関連して、旧約聖書のマカバイ書にも言及されており、特にカトリック教会においては、背教者がどのように扱われるかについての指針が示されています。

カトリック教会と背教

カトリック教会は、背教について非常に慎重な立場を取っており、その背景には歴史的な出来事や信仰に対する深い理解があります。特にドナトゥス派は、背教者を離教者と見なすことがあり、宗教的なアイデンティティに関する議論が展開されることがあります。

日本における背教

日本では、背教に対する考え方も進化してきました。中田信蔵は『背教者列伝』という著作で、特定の思想家や文学者に対する批判を展開しました。また、内村鑑三の弟子である小山内薫も『背教者』という作品を執筆し、背教に対する一つの見解を示しています。本書は、彼の思索や信仰の葛藤を通じて背教の意味を探求しています。

参考文献

背教に関する理解を深めるためには、広範な文献が役立ちます。以下の著作は特に注目されます：

• - 日本基督教協議会文書事業部 編『聖書語句大辞典』
• - 大貫隆・宮本久雄・名取四郎・百瀬文晃 編集『岩波キリスト教辞典』
• - ジョン A.ハードン 著『現代カトリック事典』
• - 岩下壮一『アウグスティヌス神の国』

このように、背教は多様な視点から理解され、研究の対象となっている重要なテーマです。

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