胚軸

胚軸とは

胚軸（はいじく、英: hypocotyl）は、植物が発芽した際に見られる茎の一部です。この部分は、子葉と呼ばれる初期の葉が現れる位置の下、そして幼根であるラジクルの上に位置しています。胚軸は、植物の成長において重要な役割を果たし、若い植物が地上に成長する際の基盤となります。

双子葉植物における胚軸の成長

双子葉植物では、発芽時に植物の胚が成長し、まず幼根が発生します。この幼根は、最初の根となり地中に深入りしていきます。そして、幼根の成長が進むと、胚軸が姿を現し、胚葉（子葉）および第一本葉を持つ幼芽をともなう生長点が地面に向かって持ち上げられます。胚軸は、植物の茎に発展する一次器官とされており、全体的な成長のために不可欠です。

単子葉植物の胚軸の特性

一方、単子葉植物（たとえば、穀物やイネ科植物）では、初期成長のプロセスがやや異なります。ここでは、子葉鞘と呼ばれる構造が形成され、これが幼茎や幼芽を土壌から守る役割を果たしています。その後、地中の種子から幼芽にかけての部分である中胚軸（mesocotyl）が延びて土壌に達する際、幼芽の直下から二次根が発生します。この一連の過程において、一次根として発育した幼根は、その後さらに成長することはありません。

また、中胚軸は胚軸の一部であり、子葉の一部でもあると考えられています。このため、単子葉植物全てがイネ科植物のように発達する訳ではない点が注意が必要です。例えば、タマネギは初期において、上記のように成長し、種子と内胚乳が持ち上がった後、第一本葉が幼根と鞘状の子葉の間の節から発生し、子葉を超えて成長します。

胚軸の貯蔵機能

興味深いことに、一部の植物では、胚軸が貯蔵器官としても機能します。例えば、シクラメンやGloxinia、セロリアックなどがその例です。シクラメンの場合、貯蔵器官は「塊茎」と呼ばれる部分となります。これは、植物が必要に応じて栄養を貯蔵し、成長に役立てるための機能を持っています。

まとめ

胚軸は植物の発芽の瞬間から成長の過程において重要であり、双子葉植物か単子葉植物かによってその成長過程に違いがあります。貯蔵器官としての機能を持つ場合もあり、植物全体の成長に寄与する大切な構造です。

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