子葉

子葉（しよう）

子葉とは、種子植物の種子の中にある胚に、個体として最初に形成される葉のことです。その形状は、成長した植物の葉である本葉とは大きく異なる場合が多く見られます。一般的に、単子葉類では子葉は1枚、双子葉類では2枚であることが多いです。特に、双子葉類で2枚の子葉が対になって生えている様子は「双葉（ふたば）」とも呼ばれ、よく知られています。

概要

被子植物においては、子葉の数が分類の重要な基準の一つとして用いられています。双子葉類では、ニリンソウなどの例外を除き、通常は2枚の子葉を持ちます。しかし、セツブンソウ、コマクサ、シクラメン、ヤブレガサといった一部の双子[[葉植物]]では、子葉が1枚しかありません。これらの植物は「擬似単子葉」と呼ばれることもあります。子葉は、ほぼ対生する形で生えますが、中には非対称なものも存在します。一方、単子葉類の子葉は1枚です。これらの子葉の数を基に植物は分類されています。ただし、双子葉類の中には、単子葉類が分化する以前の原始的な被子植物も含まれています。

裸子植物では、子葉の数は様々で、数枚以上を持つものが多いです。このような状態は「多子葉」と呼ばれます。また、種子に胚乳がない植物では、子葉が栄養を蓄える役割を担っています。胚乳を持つ種子の場合、子葉は比較的小さいですが、胚乳を持たない種子では子葉が大きくなります。身近な例としては、豆類、栗、ドングリなどが挙げられます。さらに、発芽時に子葉を土中に残したまま地上に伸びる植物もあり、この場合、子葉は光合成を全く行いません。

発芽後、子葉の次に現れる通常の葉は「本葉（ほんよう）」と呼ばれます。一般的に、双葉に対して本葉は「本葉（ほんば）」と呼ばれることもあります。しかし、インゲンやエダマメなどでは、本葉の前に「初生葉」が現れることがあります。

形状

子葉は、本葉と比較して厚みがあることが多いです。本葉には鋸歯があることが多いですが、子葉には鋸歯がないか、あっても目立たない場合がほとんどです。また、サボテンのように本葉が特殊な形状をしている植物でも、子葉の形は他の植物のものとあまり違いがありません。

一方で、単子[[葉植物]]の子葉は、多くが細長い棒状で、平行線状の脈を持っています。また、子葉は扁平ではないことが多いです。

脚注

外部リンク

『子葉』 - コトバンク

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