胡春華

胡春華（フー・チュンホア）

胡春華（こ しゅんか、フー・チュンホア、1963年4月1日 - ）は、中華人民共和国の政治家であり、元国務院副総理を務めました。中国共産党中央政治局委員を歴任し、内モンゴル自治区党委書記、広東省委員会書記などの要職を歴任しました。中国共産主義青年団（共青団）でも重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期のキャリア

1963年4月、胡春華は湖北省五峰県の農村地帯に生まれました。幼少期は「王春華」と名付けられていましたが、後に「胡」姓に改めたとされています。1979年、彼は五峰県の全国統一大学入学試験（高考）で文科の首席となり、16歳という若さで北京大学文学部に入学しました。

北京大学在学中、胡春華は傑出した成績を収め、1983年には卒業生総代として人民大会堂で演説する栄誉に浴しました。その演説で彼は、多民族国家である中国において、少数民族地域の近代化こそが中国全体の近代化に不可欠であると訴えました。

卒業後、胡春華は共青団チベット自治区委員会組織部を皮切りに、2006年まで一貫してチベット関連の業務に携わりました。共青団チベット自治区委員会副書記時代には自治区書記であった胡錦濤と出会い、その才能を高く評価されます。また、中央党校で学んだ際の校長も胡錦濤であり、古典に関する知識を高く評価した胡錦濤に「小胡錦濤」と呼ばれるほど寵愛を受けました。

地方行政での手腕

2008年4月、胡春華は河北省党委員会副書記に就任。2009年1月には河北省省長に当選し、「最年少の省長」として注目を集めました。2009年11月には、内モンゴル自治区の党委員会書記に抜擢され、急速な経済成長の陰で深刻化していた貧富の格差是正や、モンゴル族との融和といった課題に取り組みました。その手腕は高く評価され、同世代の政治家である孫政才とともに、将来の指導者候補として目されるようになりました。

中央政界での台頭と失速

2012年11月15日、第18回党大会後の中央委員会において、胡春華は49歳という若さで中央政治局委員に選出されました。翌12月には、汪洋の後任として中国共産党広東省委員会書記に任命されました。

2018年3月には、第12期全国人民代表大会で国務院副総理に選出されました。しかし、2022年10月に開催された第20回党大会では、次期国務院総理の有力候補と目されていたにもかかわらず、中央政治局委員から降格となりました。この人事は大きな驚きをもって受け止められ、同大会の閉会式で胡錦濤が途中退席する一因になったとも報じられています。

胡春華は、共青団出身の若手官僚として、将来を嘱望された政治家でしたが、第20回党大会での降格は、今後のキャリアに大きな影響を与える可能性があります。

関連項目

中国共産主義青年団

外部リンク

共青団第一書記就任記事

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