胡錦濤中国共産党大会途中退席事件

胡錦濤中国共産党大会途中退席事件

2022年10月22日に閉会した中国共産党第20回全国代表大会の閉会式で起こった胡錦濤前共産党総書記の途中退席事件は、多くの議論や憶測を呼びました。この退席は、習近平党総書記の隣に座っていた胡錦濤が、何らかの理由で会場から連れ出される形となった出来事です。国営新華社通信の英語版は、胡錦濤の退席理由を「体調不良」と確認しましたが、これには多くの疑問が寄せられています。

論争の背景

公式に「体調不良」とされた胡の退席ですが、国際的なメディアが会場に集結していたため、瞬く間に世界中で注目を集めました。ニューヨーク・タイムズは、中国の政治において、真実が明らかになることは稀であると指摘し、これがどのような影響を及ぼすのか懸念されています。胡錦濤は、その後の12月に習近平や他の現役幹部と共に江沢民の追悼に訪れていますが、その背景には何があったのでしょうか。

人事問題説

ジャーナリストの峯村健司が夕刊フジで報じたところによれば、胡錦濤は党大会閉会日の朝に、政治局員の数が25人から24人に減ったことを知らされたと言います。この中には共産主義青年団出身の胡春華の名前も含まれていました。しかし、実際には政治局員が選出されるのは党大会の閉会日ではなく、翌日に行われる第一回全体会議であるため、これを根拠にした人事問題説には限界があります。また、胡錦濤が党大会の主席団代表として事前に中央委員の候補者リストを提示する立場にいたことも、その信憑性を疑わせています。

健康問題説

一方、中国問題グローバル研究所の所長である遠藤誉は、胡錦濤の退席は健康問題、特に認知症やパーキンソン病に起因していると主張しています。彼によれば、退任後の胡錦濤は健康を損ね、動作するのも困難な状況にあったそうです。家族は今回の党大会への出席を止めるよう言ったが、胡錦濤本人が強硬に出席を望んだため、ボディーガードが付随し、厳重な支援体制が敷かれていました。退席時に見られた光景では、栗戦書が胡のために書類を持とうとしたことがありましたが、これは実際には胡の体調不良を考慮した行動として解釈されています。

まとめ

胡錦濤の途中退席事件は、体調不良という公式発表を背景にしつつも、その真の理由は明らかになっていません。健康問題や人事問題など様々な説が浮上していますが、中国共産党内部の事情や政治的な圧力が絡んでいる可能性も十分に考えられます。今後も、この事件に関する新たな情報が出てくることでしょう。

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