能登 (列車)

能登列車の歴史

能登（のと）は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）および西日本旅客鉄道（JR西日本）によって運行されていた夜行急行列車であり、上野駅と金沢駅を結ぶ重要な手段でした。この列車の歴史を振り返ると、さまざまな変遷があったことがわかります。

初期の運行

「能登」の名は、もともと東京駅と金沢駅を結ぶ寝台特急列車に由来しています。1950年代には、すでに東京と北陸地方を結ぶ夜行列車が運行されていましたが、1968年には急行列車に格上げされ、その後も多くの改正を経て1975年には「北陸2号」として定期運行が開始されました。これにより、上野駅始発の夜行急行列車が確立され、北陸方面への唯一のアクセス手段として人気を博しました。この時期、上野駅を発着する優等列車には「北陸」や「越前」といった他の列車も存在しました。

運行の変遷と人気

1982年には上越新幹線の開通に伴い運行経路が変更され、若者を中心に金沢や能登半島方面への旅行者からの支持を受け続けました。特に、1988年度には平均乗客数が233人を記録し、多くの利用者に愛されていました。ただし、周遊券の廃止や安価な宿泊施設、競合する交通機関の拡大などが影響し、1990年代に入ると乗客数は減少に転じました。

最後の運行と臨時化

2010年には、定期列車としての運行が終了し、臨時列車としての運行が始まりました。臨時列車時代は、さまざまな連休や繁忙期に合わせて運行されましたが、運行本数が減少し、最終的には2012年春に運行が完全に中止されました。その後も復活の可能性が示唆されましたが、いまだ正式な復活は実現していません。

列車名の由来

「能登」という名前は、石川県の能登半島に由来しており、この地域の旧国名から取られています。この名は、戦前から続く歴史を持ち、急行列車に昇格される過程で常に使われてきました。

運行経路と停車駅

「能登」は、主に上野駅から金沢駅までを結びましたが、たくさんの停車駅がありました。特に上越線や信越本線を経由するとともに、計13駅に停車するため、利便性が高い運行でした。この他に、長岡駅において方向転換のための停車が設けられたことも特徴です。

使用車両と快適性

列車は489系電車や485系電車を使用し、全車指定席で運行されました。また、一部にはグリーン車や女性専用席も設けられ、快適な旅が提供されました。

まとめ

能登の運行は、北陸地方と東京を結ぶ重要な役割を果たし、多くの利用者に愛されました。しかし、時代の変化とともに利用者は減少し、その結果、運行が終了することとなりました。今後、再び能登の名が復活することを期待しつつ、その歴史を振り返ることができます。

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