能登中島駅

能登中島駅：演劇ロマンと鉄道の記憶が息づく駅

能登中島駅は、石川県七尾市中島町浜田に位置する、のと鉄道七尾線の駅です。「演劇ロマン駅」という愛称は、駅の近くにある能登演劇堂に由来し、地域住民に親しまれています。

駅の概要

能登中島駅は、七尾市中島地区の中心駅として、通勤・通学に利用されています。20時台には、当駅を始発とする七尾行きの列車も運行されています。駅舎の横には、かつて甲駅に保存されていた郵便車（オユ10 2565）が静態保存されており、鉄道ファンには見逃せないスポットとなっています。以前は3番線にありましたが、現在は駅舎横の旧貨物用側線に移設されています。

2015年からは、観光列車「のと里山里海号」の運行に合わせて、能登中島駅に10分から15分の停車時間が設けられ、郵便車を見学できるようになりました。平日の特定時間帯でも見学が可能です。

駅は簡易委託駅で、早朝や夕方以降、土曜・休日は無人となります。駅事務室の一部は改装され、2017年からは地元の野菜や土産物を販売する「駅マルシェ」が営業していましたが、2019年に運営者が変わり、現在は「駅マルシェ わんだらぁず」として、グッズ販売や軽食を提供しています。

歴史

能登中島駅は、1928年（昭和3年）10月31日に、鉄道省七尾線の和倉駅（現在の和倉温泉駅）から当駅までの延伸と同時に開業しました。当初は旅客と貨物の両方を取り扱っていました。1932年（昭和7年）8月27日には、七尾線が当駅から穴水駅まで延伸され、中間駅となりました。

1971年（昭和46年）11月10日に貨物の取り扱いが廃止され、1972年（昭和47年）3月15日には業務委託駅となりました。1984年（昭和59年）2月1日には荷物扱いも廃止されています。国鉄分割民営化により、1987年（昭和62年）4月1日にJR西日本の駅となり、1991年（平成3年）9月1日に七尾線の和倉温泉駅から輪島駅間がのと鉄道に移管されたことで、のと鉄道の駅となりました。1999年（平成11年）4月1日には駅業務が委託化され、2004年（平成16年）11月17日には甲駅に保存されていた郵便車が駅構内に移転しました。

駅構造

能登中島駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線のホームを持つ地上駅です。駅舎は1番ホーム側にあり、跨線橋で他のホームと連絡しています。駅の東側は鉄道公園として整備されており、3番ホームには「鉄道公園口」という出入口が設けられています。

利用状況

2019年（令和元年）度の1日平均乗車人員は115人です。

駅周辺

駅前にはタクシー乗り場や無料の駐車場・駐輪場が整備されています。中島商店街があり、カキや中島菜を使った飲食店や水産業者が集まっています。その他、中島地区コミュニティセンターや中島郵便局、能登演劇堂、中島お祭り資料館・お祭り伝承館などの施設があります。また、七尾市立の中島保育園、小学校、中学校も駅周辺に位置しています。

バス路線

駅前には七尾市コミュニティバス（中島げんきバス）のバス停があり、西岸、笠師保、豊川方面への路線が運行されています。かつては北陸鉄道のバス路線「七富線」が運行されていましたが、2018年3月末に廃止されました。

隣の駅

のと鉄道七尾線の笠師保駅と西岸駅の間に位置しています。

能登中島駅は、鉄道の歴史と地域の文化が融合した、魅力あふれる駅です。能登を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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