能登国分寺

能登国分寺について

能登国分寺は、かつて能登国（現在の石川県七尾市）に存在した古代の仏教寺院です。その歴史は、飛鳥時代末期にこの地を支配した能登臣一族によって建立された大興寺に遡ります。

前身は大興寺

大興寺は、能登国分寺の前身となる寺院で、この地方の有力者である能登臣氏によって創建されました。その後、748年（天平20年）には、大伴家持が能登を巡行した記録が残っており、当時、能登国は越中国に併合されていました。この時代、国司は家持を含めて9人であったとされています。

国分寺への昇格

843年（承和10年）、春枝王が能登国司として赴任した際、大興寺は正式に国分寺へと昇格しました。聖武天皇が国分寺建立の詔を発布してから約100年後のことでした。しかし、882年（元慶6年）には雷による火災に見舞われ、1532年（天文元年）には畠山義総が米一石を寄進した記録が残っています。

国分寺の名の由来

江戸時代の記録には、この地が「国分村」と呼ばれるようになった由来が記されています。この地がかつて国分寺があった場所であることを示唆しています。

発掘調査と史跡指定

大正時代から発掘調査が開始され、1970年（昭和45年）からは本格的な調査が行われました。その結果、寺域の南側に建物群跡が発見され、1974年（昭和49年）に「能登国分寺跡 附建物群跡」として国の史跡に指定されました。現在、寺跡は史跡公園として整備され、1992年（平成4年）に能登国分寺公園として開園しました。

現在の能登国分寺公園

公園内には南門と塀の一部が復元されており、中門、金堂、五重塔、講堂、回廊などの跡が標示されています。また、出土品や復元模型などを展示する能登国分寺展示館も併設されています。これにより、訪れる人々は古代の寺院の姿を偲ぶことができます。

交通アクセス

能登国分寺公園へのアクセスは以下の通りです。

鉄道: JR七尾駅より車で約7分。
バス:
七尾駅前または羽咋駅前から北鉄能登バス羽七東線で「南ケ丘住宅前」下車すぐ。
まりん号東回りで「能登国分寺公園」下車すぐ。
自動車: 能越自動車道七尾ICよりすぐ。

周辺情報

能登国分寺の周辺には、以下の史跡や施設があります。

千野廃寺: 国分尼寺または役所であったと考えられています。
能登国総社

まとめ

能登国分寺は、古代能登国の歴史を語る上で重要な遺跡であり、その史跡公園は、歴史的な遺構を学び、古代の文化に触れることができる場所です。発掘調査によって明らかになった寺院の構造や出土品は、この地域の歴史的背景を理解するための貴重な手がかりとなっています。

関連情報

関連項目:
中部地方の[[史跡一覧]]
国分寺
外部リンク:
能登国分寺跡 附建物群跡 - 財団法人石川県埋蔵文化財センター

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