能見善久

能見善久

能見善久（のうみ よしひさ、1948年2月27日 - ）は、日本の民法学者であり、東京大学名誉教授、学習院大学教授を務めています。専門は民法であり、特に不法行為法、契約法、環境法の基礎理論、信託と法人等に関する研究で知られています。東京都品川区出身で、民法学者である四宮和夫氏の門下生です。

人物

能見氏は、学習院中・高等科を経て東京大学法学部を卒業しました。学習院の同級生には、元総務大臣の鳩山邦夫氏、作曲家の都倉俊一氏、日本郵政社長の長門正貢氏、元朝日新聞編集委員の萩谷順氏などがいます。大学卒業後は、東京大学法学部助手として研究者のキャリアをスタートさせ、助教授、教授を経て東京大学大学院法学政治学研究科教授に就任しました。

能見氏は、不法行為法や契約法、環境法といった分野の基礎理論の研究に力を注ぎ、信託と法人に関する研究も精力的に行っています。また、内戦後のカンボジアにおける法整備支援に尽力し、その功績が認められて2009年にカンボジア政府から勲章を授与されています。

民法学者として、信託法の分野で名高い四宮和夫氏に師事したことは、その後の研究活動に大きな影響を与えました。

略歴

1967年03月 - 学習院高等科卒業
1972年03月 - 東京大学法学部卒業
1972年04月 - 東京大学法学部助手（民法）
1975年08月 - 東京大学法学部助教授
1986年12月 - 東京大学法学部教授
1991年04月 - 東京大学大学院法学政治学研究科教授
2008年03月 - 東京大学退職
2008年04月 - 学習院大学大学院法務研究科教授
2008年06月 - 東京大学名誉教授

社会的活動

能見氏は、学術分野だけでなく、社会的な活動にも積極的に関わっています。主な活動は以下の通りです。

信託法学会理事長
日本私法学会理事長
公益法人制度改革に関する有識者会議構成員
新たな公益法人制度への移行準備に関する研究会座長
公益法人の効率的・自律的な事業運営の在り方等に関する研究会座長
原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会構成員
有限責任事業組合制度に関する研究会座長
国土開発幹線自動車道建設会議委員
原子力損害賠償紛争審査会会長

これらの活動を通じて、能見氏は法学の専門知識を社会に還元し、様々な制度改革や問題解決に貢献しています。

著書

能見氏は、研究活動の成果として、多数の著書を出版しています。

単著

『現代信託法』（有斐閣、2004年10月）

共著

『民法講義6不法行為』（有斐閣大学叢書）のうち、「特殊な不法行為（3）民法719条を中心として」（1977年）
『民法講義5契約』（有斐閣大学叢書）のうち、「委任・寄託」（1978年）
『注釈民法（10）』(419条から422条）（有斐閣、1987年）
『民法総則（第八版）』（四宮和夫の著書を共著の形式で継承）（弘文堂、2010年5月）

これらの著書は、民法学の研究者や学生にとって重要な文献となっています。

外部リンク

NOMI（本人のHP）
* 学習院大学法学部法学科教員紹介

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