脇坂安興

脇坂安興（わきさか やすおき）は、享保2年（1717年）に生まれ、播磨国龍野藩の第4代藩主を務めた人物です。脇坂家は代々龍野藩を治めており、安興は6代目に当たります。官位は従五位下中務少輔、淡路守に叙せられました。

安興は第3代藩主・脇坂安清の三男として生まれました。兄である安貞が早世したため、世子となり、享保7年（1722年）に父の死去に伴い家督を継承しました。藩主となってからは、藩政に尽力し、享保16年（1731年）12月には叙任されています。

安興の時代には、龍野藩の文化的な発展に貢献する事業が行われました。特に元文5年（1740年）に編纂された『龍野志』は、龍野の歴史や文化を伝える貴重な史料として、今日にまでその価値が認められています。これは、安興が文化事業に理解を示し、積極的に推進した結果と言えるでしょう。

延享4年（1747年）8月10日、安興は生涯を閉じました。跡は長男である脇坂安弘が継ぎました。安弘もまた、藩政に尽力しましたが、若くして亡くなっています。

安興の系譜は以下の通りです。

父：脇坂安清（1685-1722）
母：慈性院 - 鵜川内蔵助の娘
正室：津軽信興の娘
長男：脇坂安弘（1738-1757）
側室：本間氏
側室：小堀次郎兵衛の娘
次男：脇坂安実（1745-1759） - 脇坂安弘の養子
生母不明の子女
女子：宝勝院 - 板倉勝武の正室
女子：竹腰勝起の正室
女子：片桐貞芳の正室 - のち一柳直住の継室
女子：斉藤三益の継室

脇坂安興は、藩主として藩政に携わる一方で、『龍野志』の編纂を指示するなど文化的な側面でも大きな功績を残しました。彼の治世は、龍野藩の歴史において重要な位置を占めています。

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