脇田修

脇田 修: 近世史の専門家

脇田修（わきた おさむ、1931年3月14日 - 2018年3月7日）は、日本の著名な歴史学者であり、大阪大学の名誉教授として活躍しました。彼は主に日本近世史を専門にし、その研究により数多くの業績を残しました。

経歴

脇田修は、1931年に大阪府大阪市で生まれました。学業を大阪高等学校で終えた後、京都大学に進学し、文学部国史学科から1953年に卒業しました。その際、彼は「近世農村の構造変遷」というテーマで卒業論文を執筆しました。卒業後は大学院に進み、1958年には博士課程を修了後、満期退学という形を取りました。

1962年、脇田氏は京都大学に学位論文『近世封建社会の構造と展開』を提出し、文学博士の学位を取得しました。これに続き、1965年には龍谷大学の講師としてキャリアをスタートし、1968年に大阪大学文学部の助教授に就任しました。彼は1984年に教授に昇進し、1995年に定年を迎え、大阪大学名誉教授としての地位を確立しました。さらに、2001年から2014年まで大阪歴史博物館の館長を務めました。

脇田氏は2018年3月7日、肺炎のため兵庫県神戸市の病院で亡くなりました。享年86歳でした。

研究内容・業績

彼の研究は、日本中世史および近世史に焦点を当てたものであり、特に織豊期に関する研究は注目されています。織田政権における領域支配において、彼は「一職支配」という概念を提唱しました。これは織田信長が個人として知行宛行や安堵権、上級裁判権などの権力を保持し、一国・郡単位で地域に配置された家臣に権限を振り分けていた状況を指します。彼のこうした視点は、当時の日本社会の理解に大きく寄与しました。

家族・親族

脇田修の家庭も学問の家系です。妻は同じく歴史学者の脇田晴子であり、長男の脇田成は経済学者、次男の脇田敬は洗足学園音楽大学の教員を務めています。

主な著作

脇田氏の著作は多岐にわたり、その中でも以下の著作は特に評価されています:

• - 『近世封建社会の経済構造』(1963年)
• - 『教養人の日本史(3) -戦国時代から江戸中期まで-』(1967年)
• - 『織田政権の基礎構造』(1975年)
• - 『近世封建制成立史論』(1977年)
• - 『近世大坂の町と人』(1986年)
• - 『織田信長　中世最後の覇者』(1987年)

これらの著書は、日本の近世史に関する理解を深め、後の研究にも影響を与えました。また、彼は共著や編著も多数手がけており、学術的な貢献は幅広いものがあります。

論文

脇田修に関する論文も多く存在し、特に大阪大学での思い出を語るインタビューが注目されています。これにより、彼の学問に対する情熱や大学での経験が語られています。彼の貢献は、今後も多くの研究者に影響を与え続けるでしょう。

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